日本オラクルとインサイトテクノロジーは2月23日、企業の内部統制を支援するデータベース監査ソリューションを共同開発したと発表した。オラクルのBI製品「Oracle Business Intelligence 10g」(Oracle BI)と、インサイトテクノロジーの情報漏えい監視システム「PISO」を連携させたソリューション「PISO OLAP」を4月以降にリリースする。
PISOは、データベース監査ソフトとして、データベースの脆弱性をチェックするほか、データベースアクセスを記録し、不正アクセスを警告、アクセスログを追跡する製品だ。同製品とOracle BIを組み合わせることで、ログの多面的な分析ができるようになり、情報資産の安全性が確保できる。
ログの取得や管理は、コンプライアンス対応および法令に準じていることを証明するにあたって重要な要素となる。ただ、ログの取得には大量のデータやトラフィックが発生することや、不正防止のために高度な分析が求められること、多様なログを統合しつつ問題解決に導く必要があること、ログが正しく保全される必要があることなど、多くの課題があった。PISO OLAPは、こうした課題をBIの技術を活用することで解決するソリューションだ。
ログ管理の重要性を説明する日本オラクルの北野氏 |
日本オラクル システム事業推進本部 営業推進部 Fusion Middlewareグループ担当シニアマネージャーの北野晴人氏は、最近国会にて話題となった、ライブドア元社長の堀江貴文容疑者が書いたとされる「堀江メール」問題について触れ、「あのようなメールのコピーはいくらでも作れるが、ログを管理、分析することで、電子的なログが証拠として使われる時代が来るだろう。そのためにも、正しいログの管理や分析、保全方法を確立する必要がある」と述べた。
PISO OLAPは、分析するログの多面性によって3タイプに分かれている。多次元分析を利用しないエントリーモデルのPhase 1と、多次元分析を利用してトレーサビリティを確保するPhase 2、また将来的には、アプリケーションサーバやウェブサーバなど、データベース以外のログを統合し、システム全体の監査証跡を統合管理できるPhase 3だ。
1CPUあたりのライセンス料は、Phase 1が30万円で、Phase 2が400万円を予定している。日本オラクル システム事業推進本部 営業推進部 部長の杉崎正之氏は、「このようなシステムの需要は以前よりあったが、個別でシステムを構築するとなると数千万円レベルの金額がかかってしまう。これがパッケージ化されたことの意味は大きい」と述べた。
両社は今後、共同でマーケティングを行い、内部統制対応が特に求められる大企業やOracle BIを既に利用しているユーザーなどを主なターゲットとして、2007年3月までに50社に導入することを目標としている。