海外コメンタリー

地球温暖化で懸念されるインターネット障害の増加--大手IT企業の対策は? - (page 5)

David Lumb (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2023-03-17 06:30

 水資源は今後、貴重なものになっていくと予測されているため、こうした結論は変わる可能性もある。データセンターは洪水やハリケーンに備えることはできても、顧客にできる限り近いところで運用する必要があるため、干ばつを避けるのは難しい。Wemhoff氏は「既存のデータセンターにとって、水不足という問題に取り組むのは本当に困難だ。データセンターの温度を低く保つために今まで通りの量の水が必要である場合、問題を突きつけられることになる」と述べた。

 企業は、自社における水の利用がもたらす影響を低減しようと取り組んでいる。例えば、「Facebook」を運営するMetaや、大手ソフトウェア会社であるMicrosoftは2030年までに、自社が消費するよりも多くの量の水を現地に補給する(「ウォーターポジティブ」と呼ばれている)計画を明らかにしている。Metaは、同社の年次レポート「2021 Sustainability Report」(2021年版サステナビリティーレポート)の中で、2018年には100万立方メートルを超える水を消費した一方、補給はごく一部のみだったのに対し、2021年には260万立方メートルの水を消費し、230万立方メートルを補給したとしている。

 大手IT企業は水に頼らずにサーバーを冷却するためのさまざまな代替策を試みている。例えばMicrosoftは、水とはまったく異なる液体を用いた液浸冷却という実験を進めている。これは、水をパイプに通して熱交換を実現する方式よりも、はるかに先進的な手法だと言える。この手法は、同社独自の液体の中にサーバーを完全に沈め、液体を循環させることで熱を吸収するというものだ。その結果、サーバーはオーバーヒートの心配をすることなく、プロセッサーを最大の処理速度(オーバークロックと呼ばれている)で駆動できるようになる。またMicrosoftは、腐食を防ぐために窒素ガスを充填(じゅうてん)した密閉コンテナー内にサーバーを格納し、それ自体を水中に沈める海底データセンターという試みも実施している。

 サーバーからの熱を再利用するという考え方もある。米CNETの姉妹サイトである米ZDNetの報道によると、Metaはデンマークのデータセンターで発生した熱を数千世帯の近隣家屋に循環させて暖房として再利用する実験を行ったという。また、システムやコンピューター、データセンターから排出される冷却水の用途を見つけ出した企業もある。例えばAmazonが2021年のサステナビリティーレポートで解説しているように、同社はオレゴン州ユマティラ郡周辺のデータセンターからの排水を運河に流し、農作物のかんがい用として地域のコミュニティーが使えるようにしている。とは言うものの、この水は飲用に適していないという。


地球温暖化が進む中、専門家らは大手IT企業にカーボンクレジットの購入以上の対策を求めている。
提供:ipopba

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