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オンプレVMware製品による仮想化環境をクラウド移行
費用対効果を最大化する秘訣は

 今や企業ITはクラウドサービス全盛の時代と言える。さまざまなワークロードをクラウド化して、コストの削減や運用負担の軽減、システムの柔軟性・俊敏性・拡張性の強化、CAPEXからOPEXへの転換など、さまざまなメリットを享受しようとする組織が増えている。昨今のデジタルトランスフォーメーションの取り組みにおいても、多彩なクラウドサービスとの連携が欠かせない。クラウド活用は大きな経営課題の1つとして捉えられている。

 しかし、既存のオンプレミスシステムをどのようにクラウドへシフトすべきかという課題は依然として難題である。既存のワークロードをクラウドネイティブなアプリケーションやマネージドサービスに“リビルド”するには、現状の把握と再開発が必要となり、莫大なコストと時間を要するのは火を見るより明らかだ。

 アプリケーションを現状のまま、IaaSなどへ基盤を“リホスト”するという手法も考えられる。しかし、既存の基盤運用が大幅に変更されることが予想され、その準備や人材確保には相応の労力が必要となる。もちろんこの場合でも、IPアドレスの変更など改修作業は必要で、試験期間などで相応の時間が費やされる。

日本ユニシス サポートサービス本部 DXサポート部 仮想化サポート室 室長の梅田 正行 氏
日本ユニシス
サポートサービス本部
DXサポート部 仮想化サポート室
室長 梅田 正行 氏

 そこで2020年に登場して非常に注目されているのが、「Azure VMware Solution(AVS)」である。端的に言えば、Microsoft Azure上で提供されるVMwareプライベートクラウド環境であり、オンプレミスのVMware製品による仮想化環境と高い互換性が保たれている。ほとんど変更を加えずに移行でき、拡張領域として利用することも可能だ。Azureのネイティブサービスとも親和性が高いフルマネージドサービスであり、資産を持つことなく時間単位の利用料のみで済み、メンテナンスやハードウェア強化などの作業もマイクロソフトへ任せることができる。

 「Windows Server 2012/2012 R2とSQL Server 2012/2012 R2のサポート終了が、それぞれ2023年10月および2022年7月に予定されています。AVSは、この対応に迫られる企業に特にオススメです。短期間で移行できることに加えて、3年ぶんの拡張セキュリティ更新プログラムを無償で受けることができ、本格的な更改に向けて余裕を持って対処できるためです」と、日本ユニシス サポートサービス本部 DXサポート部 仮想化サポート室 室長の梅田 正行 氏は述べる。

AVS移行の経験から得られた
ホントに注意すべきポイント

 確かにAVSは、既存のVMware製品による仮想化基盤をほとんど改変することなく移行でき、運用も大きく変わることはない。既存環境はそのまま、Azureのメリットを享受できる仕組みと言える。しかし、実際の移行とその後の運用に課題がないわけではない。設計や移行作業、移行後の運用という各フェーズで、新しい検討項目が生まれるものである。

 日本ユニシスは、多数のユーザー企業へAzureを提供しており、AVSもいち早くサポートに向けた取り組みを開始していた。自ら経験を積むことを重視している同社は、自らAVSを活用して社内のVMware製品による仮想化基盤をクラウド化したのだ。この経験から、いかに便利なAVSであっても注意すべきポイントがあると学び、そのノウハウや知見をユーザー企業へ提供したいと考えている。

日本ユニシス サポートサービス本部 DXサポート部 DX適用技術二室 室長の石井 豊 氏
日本ユニシス
サポートサービス本部
DXサポート部 DX適用技術二室
室長 石井 豊氏

 まず、同社の事例について概説しておこう。日本ユニシスのVMware製品による仮想化基盤では、常時200台以上の仮想マシンが稼働していた。ハードウェアの保守サポート終了が迫ったためシステム更改を検討、維持管理負担の軽減と移行リスクの低減が見込め、またVMware製品環境運用のノウハウを継承できるという点から、AVSの効果が高いと判断した。

 「コスト比較が最も難しいところでした。AVSのランニングコストは決して小さなものではなく、ハードウェア・ソフトウェア自体の費用のみと比べると高価になってしまいます。しかし、オンプレミスシステムを使い続けると、5年ごとの構築・更改費用やデータセンターやハードウェア・ソフトウェアの運用費用が大きな負担になります。5年、10年と長く使うのであれば、トータルではAVSのほうが安価という試算結果となりました。また私たちはAVSやAzureに関する最新情報の把握に努めており、サービスや機能のリリースタイミングを把握して移行を計画できました。これはお客さまにも提供できる知見と考えています」と、日本ユニシス サポートサービス本部 DXサポート部 DX適用技術二室 室長の石井 豊 氏は述べる。

バックアップや監視はAzureを活用
変わるものと変わらないもの

 設計段階でもいくつかポイントがあり、日本ユニシス固有の決断が必要になったところはあった。梅田氏は、多くの企業に共通するであろう注意点として、「バックアップ」を挙げる。

 システムのバックアップは、何らかのツールを用いて環境を用意して運用を行っていたことだろう。その多くは、Azure環境へ持ち込むことが難しい。Azureには「Azure Backup」という機能が用意されているため、AVSへ移行するならばこれを利用するのが理想的だ。もちろんAzure Backupのバックアップ/リストアの仕組みやネットワーク構成を把握したうえで、適切なバックアップ設計を策定する必要がある。

 近しいものとして、「監視」も挙げられる。仮想マシン上のゲストOSについては、既存の監視ツールを流用できるケースが多く、日本ユニシスでもそのまま利用している。ただし、仮想化基盤(AVS基盤)そのものの監視は、Azureのマネージドサービスを利用する方が自然だ。基本的にはマイクロソフトの責任範囲ではあるが、ユーザー側で監視することも可能である。

 バックアップや監視は、システムと同時に運用方法も変わってしまうため、その点は注意したい。そのほかにも運用が変更する項目がないかどうか、しっかりと洗い出して再検討したい。とはいえ日本ユニシスの経験では大半の運用は踏襲可能で、ハードウェアのメンテナンスやデータセンターの法定点検への対応などのめんどうがなくなり、運用コストは削減できるとのことだ。

 ネットワークやストレージの構成についても十分に見直したい。日本ユニシスの場合、従来型の3ティアストレージからVMware vSANのストレージ仮想化基盤への変更になるため、仮想マシンデータの管理方法などvSANの仕組みを理解して、運用手順に反映する必要があった。

 「特にネットワークは、VMware製品基盤だけでなく他のシステムとの連携に欠かせない仕組みです。クラウド活用やデジタルトランスフォーメーションなど、将来的な取り組みを踏まえてシステムの“全体最適”を重視して、ネットワーク構成を再検討することが望ましいと考えています」(石井氏)

 実際の移行作業は、VMware HCXを活用するため多くが自動化でき、短期間で済む。ただし、HCXの仕組みをしっかりと理解し、既存のオンプレミス環境の構成を把握したうえで、移行計画・手順を策定することが重要だ。また、通常はHCX vMotionを用いた無停止移行を選びたいが、適さない環境もあり、最適な移行方法を選択することが肝要である。

 「私たちは、切り戻しの可否や計画の容易さなどを踏まえてバルクマイグレーションを選定しました。一時的な停止、対応が必要にはなるため、利用者との時間調整等も必要になりました。また多くが自動化されているとはいえ、作業を開始するとうまくいかないことが起きるものです。不測のトラブルに対処するには、VMware製品にもAzureにも熟知していなければなりません」(梅田氏)

 また日本ユニシスは、AVSへの移行後、仮想マシンの集約率を最適化することを目指した。AVSは利用料金がノード数に比例するため、集約率を向上すると費用対効果の最大化につながるためだ。集約率向上のためには、事前にリソース使用状況を正しく把握することも重要だという。現在も同社は環境の最適化に努めており、ノウハウの蓄積に余念がない。

蓄積された知見・ノウハウ
すべてをサービスとして提供

 日本ユニシスは自社の導入の経験を踏まえ、「CLOUDForesight」サービスの一環としてAVS関連サービスを展開している。基本的なAVS構築を支援する「VMware基盤(AVS)構築基本サービス」、忘れがち・悩みがちなバックアップの課題を解消する「AVS VMware VMバックアップ構築サービス」、オンプレミスからの移行を支援する「AVS移行環境構築サービス」の3つで、蓄積されたノウハウ・知見を余すところなく提供している。

 具体的には、移行アセスメントや要件定義、設計・構築・テストなど検討から構築にいたるまでの「CLOUDForesight integration」と、移行後の運用・保守を支援する「CLOUDForesight utility」の両サービスにおいて、AVSがサポートされる形だ。

 AVSはまだ登場したばかりで、今後もさらなる進化が計画されている。いかに使いやすく移行しやすいサービスとはいえ、しっかりと最新情報を把握して最適化していかなければ、費用対効果は悪化し、DXの基礎としても成り立たない。Azureのみの知見だけでも、さまざまなシステム連携を実現することは難しい。日本ユニシスのように多彩な知識とスキルを持ち、経験も豊富なパートナーを選び、自社に最適なクラウド活用を目指したいものだ。

提供:日本マイクロソフト株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2022年6月30日
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