今後はWebベースにこだわり検索分野のリーダーシップを確保
再び講演に戻ったコーネル氏は、エンタープライズにおける検索の可能性について言及した。ここには3つの課題があるという。1つ目は、大規模なソフトの実装状態におけるアプリケーションの関連性とセキュリティの課題である。エンタープライズ検索を進める上で、プライバシーやコンプライアンスをIT部門がきちんと管理するにはどうすれば良いのかという問題だ。
2つ目は、データおよび専門性の課題。データが多様なアプリケーション上にバラバラに格納され、お互いにつながりが無い状態にあるとともに、専門知識がデータベースやファイルの中にあるのではなく、人々の頭の中にあることをいう。個人の経験や学習した知識にどうやってアクセスするのかが大きなチャレンジとなっている。
そして3つ目の課題が、ユーザーの体験である。エンタープライズ環境においてはログオンが複数存在し、異なるアプリケーションのインターフェースが使われている。したがって、社員が必要なデータに簡単にアクセスできるようになることが大きな目標となる。
こうした課題に対する1つの答えとしてコーネル氏は、エンタープライズ向け検索プロダクトとして先ごろリリースした「Live Search for Enterprise」を紹介した。これはWebベースの検索サービスに、デスクトップとイントラネットでの検索を最適化したサービスで、イントラネット検索では、人の経験知も含まれるという。「第1に、セキュアで単一のユーザーインターフェースを作るのにはどうしたらいいのかを、そして第2に、企業内にある既存のモデルを有効活用し、人が持っている経験や知識をいかに開放できるかにこだわった。セキュリティ、スケーラビリティ、管理性、拡張性なども配慮している」(コーネル氏)。
また同氏は、今後Windowsにとって検索が最も重要な機能となるだろうと続ける。「Windows Vistaにおいて、検索機能がどのような形で実装されるかについてはかなりの進ちょくが見られている。Windows Vistaでは、検索結果をバーチャルフォルダーに保存することができ、それを後に見直すこともことで、ワーキンググループのメンバーが検索結果の情報を共有することができる」(コーネル氏)。
最後にコーネル氏は「エンタープライズ検索で我々がフォーカスしていることは、Webベースでの検索によっていろいろなことに挑戦すること、そして検索能力や検索分野におけるリーダーシップの確保である。今後、検索機能の差別化によって、ポジションの確立できると考えている」と抱負を示し、講演を締めくくった。