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グーグル株式会社

「ユーザーの期待は変化し、企業向けITのコンシューマ化が進む」---グーグル

富永康信(ロビンソン)
2006/06/12 11:00

インターネット検索のリーディングカンパニーであるグーグルは、企業向け検索アプライアンスの新サービス「Google OneBox for Enterprise(OneBox)」をリリースし、エンタープライズサーチに焦点を当てた動きが各方面からの注目を集めている。5月22日に開催された「ZDNet Japanエンタープライズサーチカンファレンス」では、米google,Inc.のエンタープライズ部門でパートナープログラムマネージャーを務めるケビン・スミス氏が登壇し、コンシューマでの体験がエンタープライズITにいかに波及しているかの現状について語った。

エキスパート用に設計された使いにくい技術

 ケータイやゲーム機、MP3プレーヤなどのコンシューマエレクトロニクスを見れば、どれほどのイノベーションがユーザーのニーズによって引き起こされているのかがわかる。講演の冒頭でそう指摘したスミス氏は、「企業情報へのアクセスにも、コンシューマ体験への期待が高まっている」と現状を訴える。

 デスクトップ検索ソフト「Google Desktop」は、簡単にパソコン内からファイルを見つけ出すだけでなく、「Google Map」の衛星写真を使い目的地への道順を知ることさえもできる。さらに、メールサービス「GMail」は大容量のストレージと化している。しかし、これらはもはや当たり前のものとされ、人々はこのオンラインでのすばらしい体験を、企業情報検索にも同様に期待しているという。しかし、企業情報は部門間で断片化され、従来型のエンタープライズアプリケーションは非常に複雑で、トレーニングや専門知識がなければ使いこなせない現実がある。

米Google, inc エンタープライズ部門パートナープログラムマネージャー ケヴィン・スミス 氏
米Google, inc
エンタープライズ部門パートナープログラムマネージャー
ケヴィン・スミス 氏

 「これは非常に重要なポイントだ。企業内のユーザーは業務時間の25%を検索に浪費している。しかし、優れた検索技術をもってその時間を短縮することができれば、業務効率を大きく向上させることができる」(スミス氏)

 とはいえ、従来のエンタープライズサーチはエンドユーザーにとって使いやすいものとはいえない。アプリケーションはエキスパートがエキスパート用に設計したものであり、システムの知識が必要で、かつ多くの情報を入力しなければならないからだ。ユーザーにではなく、テクノロジーにフォーカスした結果、エンタープライズサーチは最後の手段として考えられるようになってしまった。

 「しかしセキュアな検索が簡単に可能になるとしたらどうだろうか。Googleには、ユーザーが検索したい各種ファイルや情報に一つの検索ボックスからシームレスにアクセスできるだけでなく、ユーザーが検索したい情報を予測して表示するOneBoxがある。モジュールを組み込むことで、業務アプリケーションへの検索も可能とし、リアルタイムな業務情報へのアクセスを可能とするものだ。しかも、非常に具体的な質問に対しても答えを正確に導き出すことができる」と、スミス氏は力説する。

 このOneBoxは、同社の「グーグル検索アプライアンス」に加わった新サービスだ。ネットワークにプラグインするだけでエンタープライズサーチを簡単に利用するもので、構造化・非構造化情報に対応する。企業アプリケーションやファイル共有、データベースなど、220のファイルタイプを回遊し、エンタープライズのすべてのコンテンツにアクセスできるという。

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