新たな企業SNS「Facebook for Work」は成功するか - (page 2)

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 川村インターナショナル 編集部

2015-01-21 06:00

 Facebookの学習および開発担当チーフを務めるMike Rognlien氏は、世界中に7000人以上もの従業員がいると、「地球の裏側に住んでいて、ことによると1年に1~2回しか本社に来られない従業員もいる」と説明した。「遠隔地で働いていると、非常に孤立した気持ちになることもある」(Rognlien氏)。そこで、Facebook at Work上の友人が、自分たちもチームの一員であると感じられるように支援することができる。また、あらゆる部署や同僚のグループを作ることで、何千kmも離れた場所にいても、互いに話し合ったり、一緒に仕事をしたりすることが簡単にできる。Roglien氏は、「従業員数が今よりはるかに少なかった昔のように、問題の解決策を求めて、適切な人間に連絡を取ろうとする作業に時間を浪費することはできない」と述べている。

 聞き覚えのある話ではないだろうか。それもそのはずだ。多くの人はこのサービスを、企業向けの新しいソーシャルネットワークプログラムであるMicrosoftのYammer、IBMのConnections、VMwareのSocialcast、LinkedInなどと比べているが、実際のところアイデアに新しい点は何もない。より古いツール、例えばインターネットのメーリングリスト、Internet Relay Chat(IRC)、プライベートなUsenetのグループなどは、1980年代からこうした作業の一部に使われていた。またLotusの(現在はIBMの)「Notes」の起源は1973年の「PLATO Notes」にさかのぼる。

 Facebookがこうした業務用ソフトウェアにもたらす真に新しい点は、ほとんどの人がFacebookの使い方を既に知っているということだけだ。これで十分なのだろうか。

 筆者にはそうは思えない。Facebookには、ユーザーのことを詮索しているという評判もある。こうした評判の一部は不当かもしれないが、Facebookは一般ユーザーに対してそれを納得させるのに苦労してきた。例えば、誰かがFacebookのウォールに、自分の投稿や写真をFacebookが許可なく使うことを禁止するというプライバシーの注意書きを掲載しているのを見ない日はないくらいだ。もっともこのような注意書きは、Facebookでシェアする投稿やデータを保護するのには全く役に立たない。

 企業はFacebookを、一般ユーザーがするよりも厚く信頼するだろうか?筆者は疑わしいと思う。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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