仮想デスクトップ導入でIT部門が本業に集中--アーレスティ

ZDNET Japan Staff

2015-06-08 11:48

 自動車のエンジン、トランスミッションなどに用いるアルミダイカスト製品の開発や製造、販売を手掛けるアーレスティは、従業員のワークスタイル変革の実現に向けて、仮想デスクトップ(VDI)を導入した。社内外を問わず、従業員が安全で快適に業務を遂行する環境の構築を進める。

 同社は、場所を問わずに仕事ができるように営業担当者にノートPCを配布していたが、重量があり持ち運びに不便なため、手軽に業務を行うことができるタブレット端末の導入を求める声が集まっていたという。

 生産や販売、購買を担当する業務部門からは、既存のPC端末のパフォーマンス改善などの要望が寄せられていた。

 これらの課題を解決するためVDI環境を構築するためのシステム「VMware Horizon」と、iPadを活用するためのソフトウェア「AirWatch」の導入を決めた。アーレスティは、Windows XPのサポート終了を契機に、社内IT環境の改善によるワークスタイル変革の推進を決めていた。VDI導入はその第一弾という位置づけ。

 Horizonを約900台のPCの仮想デスクトップとして採用。業務アプリケーションがこれまでと同様に動作する点や、ThinAppによるアプリケーション仮想化の機能などを評価したとのこと。

 一方、社外での活動が多い営業担当者や管理職を対象にiPadを採用することになり、社外でもモバイル環境を通じてセキュアに業務を遂行できるように、デバイスやアプリケーション、メールを包括的に管理できるAirWatchの導入も併せて決めた。

 アーレスティはHorizonとAirWatchの採用により以下の利点があったとしている。

・VDIを通じた端末のパフォーマンス向上により、生産や物流業務全般でのスピードアップと効率化

・Horizon導入でPC端末のセットアップ作業がなくなり端末の管理が簡素化されたことで、PC管理を兼務していた業務部門の担当者が本来の業務に集中できるようになった

・場所を選ばずセキュアかつ迅速に業務を遂行できるようになったことで、営業担当者の顧客対応レベルが大きく向上した

・タブレット端末やアプリケーションを社外でも安全に利用できるようになったことで、顧客からの信頼を獲得できるようになった

 アーレスティは今回の導入の効果を踏まえ、ワークスタイル変革の第二段階となる9月までに、残りの約600台のPC端末をVDIに移行。10月から関連会社を含む9社の全端末に当たる約1500台を仮想デスクトップに移行する。また営業担当者へのiPadの配布をさらに拡大する計画としている。

 さらに、個人のデバイスを業務で利用するBYODの導入も検討中で、業務利用時にはタブレットからVDIへのアクセスし、メールだけを利用する場合はAirWatchを利用したスマートフォンからアクセスするなど、用途に応じた活用を検討している。

 今後の予定として、事業継続性の強化も必要なことから、システムのDR(災害復旧)対策を実施するために「VMware vCloudR Air」の活用も検討している。

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