ヴイエムウェアは5月20日、仮想デスクトップ環境(VDI)をクラウドから提供するDaaS(Desktop as a Service)「VMware Horizon Air」を日本国内でも提供すると発表した。6月までに一般提供を開始する。VDIの運用を社外に任せることでコスト削減やシステムの簡素化に貢献するという。
Horizon Airで提供される仮想デスクトップの最低購入数は50から。1、12、24、36カ月の契約ができ、12カ月間のサブスクリプション契約を締結した場合の1デスクトップあたり月額の税別価格は4300円を予定している。
マーケティング本部 シニアプロダクトマーケティングマネージャー 本田豊氏
Horizon Airは、パブリッククラウドサービス「VMware vCloud Air」から提供されるDaaSであり、サービス品質保証制度(Service Level Agreement:SLA)の値を99.9%としている。vCloud Airは、IaaSのほかに災害復旧対策(DR)の「Horizon Desktop DR」、アプリケーションが利用できる「Horizon Air Apps」とともにDaaSを提供することになる。
マーケティング本部のシニアプロダクトマーケティングマネージャー本田豊氏は、DaaSを利用するメリットとして「迅速かつ柔軟」「設備投資コストなし」「運用スキルが不要」「ハイブリッドモデルで利用可能」などの点を挙げた。
仮想デスクトップの導入オプション(ヴイエムウェア提供)
これに加え、デスクトップとアプリケーションのプロビジョニング、配信、管理がさらに簡素化できる新機能を6月までに提供予定という。新しく提供される管理コンソールでは、デスクトップやアプリケーションを作成するための新しいウィザード、ユーザーやグループの検索機能、プログラム実行の際にくり返し利用するリソースを生成、破棄する手間を省く「プール化」されたデスクトップ管理を簡素化する機能が含まれている。
また、新APIも提供される。プログラミング可能な管理機能を利用できるようになり、IT管理者は仮想デスクトップの作成やプール化など、カスタマイズされたワークフローやプロセスを作成できるとした。
HorizonAirにホストされるのはWindows。WindowsやMac、Linuxといった既存PCからHTML5ベースのブラウザからアクセスできる。シンクライアントのほかにAndroidやiOSを搭載したモバイルデバイスからも場所や時間を問わずアクセスできるようになると説明する。
また、クラウドによってシステムの複雑さを解消し、運用コストや先行投資を抑制できるため、組織の総所有コスト(TCO)を大幅に削減でき、セキュリティや管理が統合できるとした。
VMwareは、これまでにも米国や欧州の一部の地域でDaaSを提供しており、世界の最も広い地域でDaaSを提供するプロバイダーであるとアピールしている。