IDC Japanは11月5日、国内ストレージサービス市場の調査結果を発表した。2013年は前年比3.8%増の2116億200万円、2013~2018年の年平均成長率(CAGR)は2.3%、2018年の市場規模を2365億円と予測している。仮想デスクトップ(VDI)関連のストレージ構築サービスの引き合いが強く、フラッシュストレージのコストが下がったことなどが好調の要因という。
2013年のストレージサービス市場は、コンサルティングや導入/構築、管理/運用などの「プロフェッショナルサービス」、保守サービスともに堅調だった。ディスクアレイ製品市場、ストレージソフトウェア市場とも前年比成長率は2桁で推移し、それに伴いストレージサービスの売り上げも伸びたとした。
特にVDI関連のストレージ構築サービスは2013年から2014年にかけて活況が続いており、事業者に構築ノウハウが蓄積し、課題解決策を提案できる案件が増えているとした。
フラッシュストレージの調達コストが下がったことも促進要因であり、パフォーマンスに問題を抱えたユーザーへのコンサルティングや小規模展開から規模を拡大する場合の設計、構築などがサービス機会として増加したという。
災害対策需要も2013年を通して堅調であり、サービス市場の拡大要因となった。2014年は対策内容が高度化し、案件単価が上がる傾向も見られているという。東日本大震災の影響を受けた応急処置的な案件は減少し、新しい災害対策テクノロジを採用したほか、クラウドサービスを組み合わせるなど、構築や運用のコスト抑制方法が複数出てきたことがユーザー企業の災害対策取り組み意欲を促進しているとした。
IDCは今後、ビッグデータ活用やデータベース高速化、クラウドサービスの利用やソフトインフラのソフト制御を含めた全体の最適化などストレージやデータ管理の専門性に対するニーズが増し、ストレージサービスの提供機会は長期的に拡大すると分析している。
2010~2018年 国内ストレージサービス市場 売上額実績と予測