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山谷剛史の「中国ビジネス四方山話」

転職癖の抜けない中国のホワイトカラー

山谷剛史

2014-10-28 06:00

 一般論でいえば中国人は日本人より転職に積極的だ。その習慣は在中国の経営者に悩みの種である。中国語で転職を「跳槽」というが、仕事に関するポータルサイトにおいても、ワンマン上司をはじめとした会社内の不満の吐き出しと共に、転職はいつも話題になっている。

 最近発表されたLinkedInの調査結果によれば、アメリカのホワイトワーカーの平均在職期間が56カ月であるのに対し、中国の経済発展地域の平均在職期間は34カ月、つまり3年弱だという。職業別で平均在職期間は多少異なるが、最も短いのは「ビジネスサービス」で29カ月、最も長い「モノづくり」でも39カ月となっている。

 また就職サイトの「智聯招聘」が発表した「2014年秋季白領跳槽指数調研報告」でも、また忠誠度の低さが露わになった。転職について「現在考えていない」と答えたのは半数以下の44.5%で、「漠然と考えている」は24.6%、「転職活動中」は21.5%、「転職の手続き中」は9.3%にもなった。

 地域差もある。北京は63.4%と最も高く、最も低い南京で48.7%となった。日本企業が比較的多いところを挙げれば、上海で54.6%、深センで51.9%、広州で60.3%、蘇州で60.9%、成都で56.0%。15ポイント程度の幅はあるものの、転職活動はどの地域でも活発なようだ。困ったことに企業形態別では、プライドを満たせて給料が高いはずの外資系企業のホワイトワーカーの忠誠度が最も低い。

 年齢別では若い世代ほど転職に積極的で、転職を考えているのは、1990年代生まれ(中国語で「90后」。高卒大卒~24歳)で65%、1980年代生まれ(同「80后」。24歳~34歳)で57%、1970年代生まれで47%(同「70后」。34~44歳)、1960年代生まれ(同「60后」。44~54歳)で32%となった。年を重ねるごとに転職意欲が減るとはいえ、30歳を過ぎても40歳を過ぎても、転職しようという意思のある人は多い。

 転職の理由(複数回答可)では、「能力の向上が見込めない(56.8%)」「給料に不満(54.1%)」の2つの理由がとりわけ多く、続いて「福利厚生に不満(37.1%)」「昇格しない(32.5%)」「私生活の時間がない(21.0%)」「仕事の責任感が強すぎる(20.1%)」「上下関係に不満(18.6%)」となった。以前中国の職場の不満についての記事を掲載したが、ほかにも給料や仕事内容など、様々な不満をホワイトワーカーは抱えている。

 給料が上がれば忠誠度は上がるのかというとそうでもなく、月収数千元から2万元(約34万円)までは給料を上げていくと、会社への忠誠度が上がるが、それ以上となると、上がらずに少々下がるという結果が出ている。金銭面だけでなく、私生活とのバランスへのニーズも近年高まっている傾向だ。

 加えて80后以前に比べ、若き90后は「私は他人とは違い、能力がある。単調でつまらない仕事を渡されるなんて許せない」とばかりに、会社での時間がつまらないと言って勢いで退職するケースが目立つ。安定が約束される公務員になった90后すら、退職する人が目立つ。

 大学生が最も就職したい業界がIT業界だが、IT業界も前述の「ビジネスサービス」並みに在職期間が短い。こちらは勤務先での業務に不満があるのではなく、業務拡大すべく中小企業を買収し、巨大化したインターネット企業「百度(Baidu)」「阿里巴巴(Alibaba)」「騰訊(Tencent)」の「BAT」3社をはじめ、様々な力ある企業が業務を拡大し、業界再編が行われる中で、雇用のニーズが高まり、在職期間が短くなっている。

山谷剛史(やまやたけし)
フリーランスライター
2002年より中国雲南省昆明市を拠点に活動。中国、インド、アセアンのITや消費トレンドをIT系メディア・経済系メディア・トレンド誌などに執筆。メディア出演、講演も行う。著書に「日本人が知らない中国ネットトレンド2014 」「新しい中国人 ネットで団結する若者たち 」など。

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