AWS、「Amazon Bedrock」の基盤モデルを評価する新機能を提供

寺島菜央 (編集部)

2024-04-25 06:00

 Amazon Web Services(AWS)は米国時間4月23日、生成AIアプリケーションの構築基盤「Amazon Bedrock」の新機能を発表した。

 Amazon Bedrockでは現在、AI21 Labs、Amazon、Anthropic、Cohere、Meta、Mistral AI、Stability AIが提供する基盤モデルを選択できる。同日の発表では、Amazonの「Amazon Titan Multimodal Embeddings」「Amazon Titan Image Generator」、Metaの「Llama 3」の利用が可能になった。また、Cohereの「Command R」「Command R+」は近日中の提供を予定しているという。

Amazon Bedrockで選択できる基盤モデル(出典:アマゾン ウェブ サービス ジャパン)
Amazon Bedrockで選択できる基盤モデル(出典:アマゾン ウェブ サービス ジャパン)

 AWSは、数多くある基盤モデルから顧客がアプリケーションに最適なモデルにアクセス、比較、採用できるように「Model evaluation in Amazon Bedrock」の一般提供を開始した。同サービスでは、Amazon Bedrock上の基盤モデルを迅速に分析、比較し、モデルの評価にかかる時間を短縮する。これにより、ユースケースごとに最適な基盤モデルが迅速に判明し、市場への投入を速やかに行うことができる。

 主観的な基準や微妙な判断が求められるコンテンツは、人による判断を追加し、特定用途の指標に基づくモデルレスポンスを評価できるという。設定プロセスが完了すると、Amazon Bedrockは評価を実行してレポートを生成する。

Model evaluation in Amazon Bedrockの概要(出典:アマゾン ウェブ サービス ジャパン)
Model evaluation in Amazon Bedrockの概要(出典:アマゾン ウェブ サービス ジャパン)

 「Custom Model for Amazon Bedrock」では、自社でカスタマイズしたモデルをAmazon Bedrockにインポートし、生成AIアプリケーションの開発を加速することができるという。また、「Amazon SageMaker」やそのほかのツールでカスタマイズしたモデルを数クリックでAmazon Bedrockに追加できる。

 自動の検証プロセスを経ることで、Amazon Bedrockの基盤モデルと同様に、自社のカスタムモデルに円滑にアクセスでき、モデルのナレッジベース拡張や複数ステップのタスクを完了するエージェントの簡単な作成、モデルの継続的な改良のためのファインチューニング(微調整)の実行といった、既存のモデルと同じフルマネージド型の方法で利用できる。現在、プレビュー版として「Flan-T5」「Llama」「Mistral」 のオープンモデルアーキテクチャーに対応しており、今後拡張する予定だとしている。

 「Guardrails for Amazon Bedrock」では、個人情報や機密情報、冒とく表現、特定の単語などを削除し、有害なコンテンツを最大85%ブロックする保護機能を搭載できる。ガードレールの作成には、自社のアプリケーションのコンテキストにおいて許可されないトピックを自然言語で定義するだけでよい。同サービスは一般提供を開始している。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  4. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

  5. クラウドコンピューティング

    Snowflakeを例に徹底解説!迅速&柔軟な企業経営に欠かせない、データ統合基盤活用のポイント

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]