松岡功の一言もの申す

富士通とAWSの新たな協業でメインフレームのクラウド移行は本格的に動き出すか

松岡功

2024-03-28 11:00

 富士通とAmazon Web Services(AWS)が、レガシーシステムのモダナイゼーションの促進に向けて協業を拡大した。両社の新たな協業で最も注目されるのは、メインフレームのクラウド移行が本格的に動き出すかどうかだ。さらに、そうした中で両社の関係は特別なものなのか。共同記者会見から探ってみたい。

両社が今回の新たな協業に至った理由とは

 両社は今回の新たな協業の取り組みとして、「Modernization Acceleration Joint Initiative」を4月1日に開始すると発表した。3月18日に都内で行われた発表会見には、富士通 執行役員SEVP 兼 グローバルテクノロジービジネスグループ長の島津めぐみ氏と、AWS グローバルサービス担当バイスプレジデントのUwem Ukpong(ウウェム・ウクポン)氏が登壇した(写真1)。

写真1:左から、富士通 執行役員SEVP 兼 グローバルテクノロジービジネスグループ長の島津めぐみ氏、AWS グローバルサービス担当バイスプレジデントのUwem Ukpong氏
写真1:左から、富士通 執行役員SEVP 兼 グローバルテクノロジービジネスグループ長の島津めぐみ氏、AWS グローバルサービス担当バイスプレジデントのUwem Ukpong氏

 両社の新たな協業では、既存ユーザーのメインフレームやUNIXサーバー上で稼働する基幹システムのアセスメントから、移行、モダナイゼーションまでの一貫したサービスを迅速かつセキュアに提供。多様な業界のレガシーシステムをAWSクラウド上でモダナイゼーションを行い、急速なビジネス環境の変化にユーザーが対応できるように支援する。

 さしずめ、富士通製メインフレーム「GS21シリーズ」を利用するユーザーに向け、モダナイゼーションを実現する一連の開発ツールやサービスである「AWS Mainframe Modernization」や、COBOL、PL/Iといったレガシーなプログラム言語をJavaに自動的に変換する「AWS Blu Age」の活用により、移行とモダナイゼーションに必要な期間の短縮とコスト削減を実現するとしている。

 両社はまずGS21シリーズのユーザーを対象とし、順次、富士通製UNIXサーバーや他社製メインフレームを利用するユーザーへ対象を広げ、2029年までの5年間で欧州、北米、アジアなど40社・団体の移行を支援する構えだ。

 会見内容の詳細は関連記事をご覧いただくとして、今回の動きで筆者が注目したのは、メインフレームのクラウド移行が本格的に進むのかどうかだ。さらに、その中で両社の関係は特別なものなのか。まずは、会見のプレゼンテーションでは両社が今回の協業に至った理由をそれぞれに次のように説明した。

 「富士通として今回の協業に至った理由は3つある。1つ目は、AWSは世界中で多くのお客さまに利用されているグローバルスタンダードなクラウドサービスであること。2つ目は、メインフレームのクラウド移行で20年以上の実績を持つソリューション『AWS Blu Age』があること。3つ目は、当社と10年以上にわたる戦略パートナーとしての協業の実績があることだ」(島津氏)(図1)

図1:富士通がレガシーシステムのモダナイゼーションの促進に向けてAWSと協業した理由(出典:富士通)
図1:富士通がレガシーシステムのモダナイゼーションの促進に向けてAWSと協業した理由(出典:富士通)

 「AWSにとって富士通は日本でナンバーワンのパートナーだ。何と言ってもケイパビリティーの高い人材が豊富だ。とりわけ、新たな協業の大きな目的であるメインフレームのモダナイゼーションに向けては最強のパートナーと組むことができた。AWSをパートナーに選んでいただいたことに感謝したい。日本をはじめ、グローバルへも協業を積極的に進めていきたい」(Ukpong氏)

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