日本オラクルは10月23日、記憶媒体としてフラッシュメモリを最大912テラバイト搭載可能なストレージ「Oracle FS1 Flash Storage System」(FS1)を発表した。FS1は、垂直統合型システムである「Exadata」などで培ったフラッシュ技術を取り入れて開発し、オラクルのサーバやOS、アプリケーション、データベースと組み合わせることで運用効率を最大化できるように設計したという。出荷開始は11月を予定している。税抜き価格はオールフラッシュによる最小構成937万9559円。
FS1のスループット性能は毎秒80ギガバイト。FS1に備わる管理ソフトウェア「QoS Plus」は、データをより効率的に利用する自動階層化システムにより、予測可能なストレージリソースの配分が可能。フラッシュの能力を最大化し、ハードディスクの経済性も両立できるとした。ビジネスの優先度とデータ使用率の組み合わせに基づき、データごとにフラッシュやディスクといったストレージメディアへのデータ配置を決める。テラバイトあたりのIOPS性能をアピールした。
「アプリケーションプロファイル」機能により、「Oracle Database」やオラクルのアプリケーション製品に加え、他社製のソフトウェアでも導入を簡略化し、複雑な調整や管理を自動化するなど、最少の工数でプロビジョニングが可能とした。
また、オラクルのストレージ製品に備わるデータ圧縮技術に対応し、競合と比較してデータを最大50分の1に圧縮可能とアピールしている。
さらに FS1は独自の「ストレージ・ドメイン」機能により、マルチテナント環境に独立した仮想ストレージを構築し、クラウド環境を配備することが可能。1台の筐体にサービス品質制御(QoS)機能を備えた複数の独自環境を構築することでデータセンターの集約を実現し、電力、冷却、管理などの経費も削減できるとしている。
FS1は、広範なOSとハイパーバイザをサポートし、オラクルの「Linux」「Solaris」「VM」や、「IBM AIX」「HP-UX」「Windows」「VMware」に対応しているという。
Oracle FS1 Flash Storage System