日本でも大規模なクラウドサービス活用事例が増えてきた。日本の顧客やパートナーと話し合うため来日したという米Amazon Web Services (AWS)のセールス、マーケティング&サポート担当バイスプレジデント、Adam Selipsky氏に日本市場の感触を聞いた。
統合基幹業務システム(ERP)をはじめとしたオンプレミスのクラウドシフト、Windows XPのサポート終了を背景にした仮想デスクトップインフラ(VDI)への期待が高まっている状況が見えてきた。
クラウドへの流れがさらに加速
「2013年のAWSのビジネスは世界も日本も急拡大した」と話すSelipsky氏。ここ数年は定期的に来日し、ユーザーと話をしているという。
「2011年3月初めにオープンした東京リージョンのユーザー数が2万を突破するなど、ユーザーが急増している。大規模な採用事例も数多く出てきた。大手では金融、小売り、ゲーム、われわれが“Hot”と呼んでいるスタートアップまで、かなり浸透してきている。特にエンタープライズは大きなトレンドの1つで、オンプレミスからAWSに全面移行している事例が数多くある。オンプレミスからクラウドへの流れはさらに拡大する。何千というアプリケーションがクラウドに移行するはずだ」(Selipsky氏)
パートナーに関しては、野村総合研究所(NRI)や日立製作所、ワークスアプリケーションズなどの名が挙がった。
NRIは大企業向けのAWS関連サービスを中心に「特に金融業界に強い」(Selipsky氏)と評価する。日立も「非常に強力なパートナーであり、AWSへの投資をさらに拡大、人材などをAWSとの連携に注ぎ込んでいる」とのこと。Selipsky氏は、こうしたシステムインテグレーターを中心としたパートナーのスキルが向上してきている点も評価している。