最近の複数の調査によると、何らかのクラウドを利用している企業が数多くあり、その割合は最高で75%にもなっているという。ただ、クラウドの採用を推し進めているのはIT部門ではなく、業務部門なのだ。詰まるところ業務部門のリーダーは、実際の業務に具体的な成果を迅速にもたらすソリューションとしてクラウドを捉える必要があるため、ITに関するリソースを正しく選択、管理する方法を知っておかなければならない。しかし、テクノロジや、企業ITにおけるベンダー管理といったものになじみがなければ、こういったことは一筋縄ではいかない。以下ではこうした困難な状況を乗り越えるための10のベストプラクティスを解説している。
#1:事前にニーズをしっかり把握しておく
クラウドソリューションの評価に着手する前には業務ニーズを把握していたが、営業担当者から新しい目的をすり込まれ、当初の目的からそれて迷走してしまう業務部門のリーダーは驚くほど多い。このような事態を招かないようにする最善の方法は、クラウドベンダーに会う前に業務要件を定義し、文書化しておくことだ。
#2:実証と評価のための試験運用を手配する
組織に価値をもたらせるクラウドソリューションは数多くあるが、従業員が容易に使用できるかどうかと、自社の作業手順になじむかどうかという観点も重要だ。これらを保証するために、クラウドプロバイダーと契約を締結する前に、実証および評価のための試験運用を手配するようにしてほしい。
#3:クラウドを業務面から評価するための指標を作成する
例えば、クラウドソリューションの目的が新しいサプライヤーを従来手法よりも迅速にサプライチェーンに組み込むことであり、クラウドベースのソリューションの採用によってそのプロセスを80%削減できると分かっているとしよう。この場合、業務上の利点を容易に文書化し、運用の効率化にどのように役立つのかを描き出せるはずだ。どのようなクラウドサービスであっても、評価可能な業務上の価値と連動させ、定期的に評価するべきだ。