3)スマートホームのハブ化を狙った外部への投資
LumaというWi-Fiアクセスポイントの開発を狙うベンチャー企業にAmazonなどが投資したというニュースが、先日(米国時間7日に)流れていた。
Lumaが開発しているのは、簡単にいうと「使っていてストレスの少ないWi-Fi網」となるだろう。具体的にはメッシュネットワークの仕組みをつかって家庭内の電波の届きにくい箇所をなくしたり、Wi-Fi網設定に関わる面倒な手続きをスマホ・アプリによる操作で簡単に行えるようにする、といった点が売り物のようだが、Lumaの製品自体はここではさほど重要ではない。
このLumaへの投資に使われた資金の出所が、AmazonがAlexaの生態系拡大のために設けた「AlexaFund」というベンチャーファンド。外部の企業にもAlexaでつながるハードウェアをたくさん開発してもらい、その生態系をどんどん拡げていきたいというAmazonの思惑が感じられる。Lumaに続く投資先として、Amazonがどんなハードウェア・ベンチャーを支援することになるかに注目したい。
Amazonは、スマートフォンというユーザーとの接点の確保に失敗したものの、その失敗の「ケガの功名」といった形で、音声という新たな接点の確保に成功しつつあるようにもみえる。ケガの功名というのは、FirePhoneが仮にある程度うまく言っていたら、いきなりハンズフリーでとはならかったはずということだが(常時スタンバイさせるには、常にコンセントに接続しておく必要があるので、いまのところ「Echo」と「dot」でしか対応していない。
また携帯用の「Tab」を採り上げたレビューのなかにも「いちいちボタンを押さないといけない」点を問題点として指摘したものも複数あった)。
そんなEcho+Alexaという組み合わせが、この先どこまでプラットフォームとしての影響力を拡げていくのか、また英語以外の言語/米国以外の地域にも対象を広げていくのかどうか……いろいろと気になることが増えている。
【参照情報】
・Echo is a sleeper hit, and the rest of America is about to find out about it for the first time - QUARTZ
・Amazon Put Alexa in Millions of Homes: Is Yours Next? - WSJ
・Review: Amazon Tap - WIRED
・Alexa,Is Jeff Bezos Spying on Me? (Guest: Dan Seifert, Senior Editor, The Verge) - Re/code
・Amazon has sold 3 million Echo speakers, research firm says - Seattle Times
・Amazon Echo review: listen up - The Verge
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