米IT業界の顧客満足度指数は、同国経済セクターの全般的な低迷とともに低下している。GoogleとAmazonが特に大きく下がっている一方、Facebookの満足度指数は上昇した。
2015年第4四半期の米国顧客満足度指数(ACSI)は、100ポイントを満点として、前期よりも0.5%低い73.4となった。ACSIによれば、同指数は8四半期連続で下がり続けており、この10年で最も低い数字まで落ち込んだ。
マクロ経済的な視点から見れば、この低下はそれほど驚くことではない。賃金は上がらず、消費者需要は弱い状態にある。IT業界の状況を見ても、スマートフォンが安定期に入り、ハードウェアのイノベーションは少なく、新しい製品分野もまだ将来性が証明されていない状態で、これらはすべて停滞を生み出す要因になっている。仮想現実(VR)も3Dプリンティングも4Kテレビも、需要と供給の関係にニワトリとたまごの問題を抱えている。
この記事では、これらの背景を念頭に、IT業界と各企業のACSIがどのような状況にあるかを確認したい。
まず、IT業界が米国の経済全体から見てどのような位置づけにあるかを見てみよう。最も重要な点は、ソフトウェア、通信、Googleなどの情報サービスを含む情報(図中の「Information」)セクターは、政府の公共サービスを除けば、全産業の中でACSIのスコアが最も低いということだ。シリコンバレーからこのような話が出ることはあまりない。
多くのセクターのスコアは例年と比べ下がっているが、情報セクターの落ち込みは3.4%で、これより悪いのは製造および非耐久財(Manufacturing/Nondurable Goods)の3.5%だけだけだ。
さらに詳しく見ていくと、インターネット検索エンジンおよび情報のカテゴリは、Googleのスコア低下によって足を引っ張られている。GoogleのACSIスコアは、これまでの記録の中で2番目に悪く、1年前から6%低下している。
一方、AmazonのACSIスコアも過去最悪の83で、1年前から3.5%低下している。eBayのACSIスコアも過去最低であり、Netflixのスコアも悪かった。
スマートフォンのカテゴリでは、AppleとサムスンがどちらもACSIスコアが80で同点を記録し、多くの企業のスコアが前年より上昇している。ただし、Appleは2012年の83と比べれば下がっており、サムスンも前年の81よりは低い。
明るい話題は、ソーシャルメディアのカテゴリが健闘していることだ。このカテゴリでは、多くのサービスのACSIが改善しており、Facebookは前年比で12近くも上昇している。YouTube、Twitter、LinkedInは、過去最高のACSIを記録した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。