北雄ラッキー（北海道）は、本社と本部機能を置く星置駅前店をはじめ10店舗で無線LAN環境を構築。これまで事務所内に限られていたネットワークエリアを店舗内全体に拡大した。北雄ラッキーは北海道全域で36店舗を展開、運営する独立系スーパーマーケット。
その都度、事務所に戻ってアップロードしていたハンディターミナルからの発注業務も店舗内の任意の場所から作業できるようになるなど業務効率が大きく向上するとともに、運用管理の負担も大幅に削減したという。日本ヒューレット・パッカード（HPE）が7月1日に発表した。
「北雄ラッキー」の店内写真（HPE提供）
北雄ラッキーは1971年設立、一貫して地域に根差し、「日本一質の高いスーパーマーケットをめざします」を社是として、「おいしさと豊かさ」「感動を与えるサービス」「仕事に対する向上心」の3つの質を不断に追求、北海道の人々に親しまれている。パートナー社員を含め従業員2000名以上を擁し、2016年2月期の売上高は435億円。
同社では、「上質値ごろ」を実現するきめ細かく迅速な発注のためには、店内の限られた無線LANエリアや有線端末では不十分と考えていた。また、「お客さまに感動を与えるサービス」の提供や、業務スキルアップに向けた組織変更、人事異動などにあわせオフィスレイアウトも柔軟に変更したいと考えていたが、有線ネットワークが複雑に張り巡らされた状態で、そのたびに配線工事をするにはコストや管理の負担がネックだった。
また、接続障害時には逐一現場に赴くか、遠く離れた他店舗まで発注データのアップロードに駆けつけるなど現場負担も大きくなっていたという。
こうした課題を解消すべく、北雄ラッキーでは無線LAN環境を刷新。本部、オフィス、店舗にまたがって総合的に運用できるネットワークの構築を計画した。その際、快適で安全なショッピング体験を提供するための基盤を追求し、優れた費用対効果の追求と既存投資の保護も実現することを目指したという。
そして今回、HPE傘下のアルバネットワークス（HPE Aruba）のコントローラ内蔵インスタントアクセスポイント「Aruba IAP」を中心としたHPE Aruba WLANソリューションが選定された。
選定の理由について、北雄ラッキー 管理本部経理部情報システム課 マネジャーの福嶋重樹氏は以下のようにコメントしている。
「アクセスが集中しても安定して高速通信できることが大切でした。Aruba IAPは1台に、30デバイスが同時接続しても問題のないパフォーマンスを発揮します。これに加えて大きな決め手となったのは、マルチベンダー、マルチセキュリティに対応している数少ないソリューションであることでした。既存投資を保護し、初期投資を最小限に抑えることで、お客さまに負担を転嫁することなく最新のシステムやサービスにも対応し、削減された管理運用コストを活用して、さまざまな施策、導入や拡張を計画的に推進できるようになりました」
店舗天井に配備されたIAP（HPE提供）
現在では、本部機能の併設店舗をはじめ10店舗に計約70台のAruba IAPを展開している。これに伴い、売上状況を確認するためのシステムも全てウェブアプリケーション化されているほか、事務所スタッフと店舗内各スタッフとを常時つなぐトランシーバをHPE Aruba WLAN環境で運用し、緊密なコミュニケーションを促進している。
無線LAN環境の刷新により、これまで事務所エリアに限られていた同社LAN環境が店舗エリア全域にまで拡大し、発注業務などが効率化された。また、デジタルサイネージへの動画配信など大容量データの転送時にも簡単で安定した高速配信が可能となった。膨大な費用がかかっていた改装時の工事費用も大幅に削減されている。
そして運用面では、想定外の大容量データのアクセス集中時などでも帯域制御などにより柔軟に対処可能となったほか、通信トラブルの大幅減など不安定な通信状況からの脱却が実現した。さらに管理性が向上し、アップデートや設定変更などは管理画面から全てのIAPに一括配信できるほか、万一の障害時にも遠隔地からAruba IAPにアクセスすることで現場状況を可視化できるようになり、現場の管理負担が軽減された。
北雄ラッキーは今後、無線化の必要なほぼ全ての店舗に展開する予定。Aruba IAPの拡張性を生かし、ビーコンによる顧客とのエンゲージメントを高めるシステムの導入なども検討しているという。
