神戸情報大学院大学は、高密度環境においても快適なレスポンスを実現する無線LANソリューションを導入した。Aruba Networks(Hewlett-Packard Enterprise=HPE傘下、HPE Aruba)が2月26日に発表した。
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神戸情報大学院大学では、より多くの学生を収容できる新キャンパスへの移転を計画していた。移転を機に向こう10年間安定して利用できる全学のネットワークインフラの整備を併せて検討した。新キャンパスでは、予想される学生数の大幅な増加や、学内ネットワークがカバーすべきエリアの拡大に備え、高性能な無線LANインフラの整備やその統合管理などが求められていたことから、学生や学内で使用されるデバイスの急増に対応できる“量”と、教育研究用にも柔軟に構成を変更できる“質”の両面から検討を積み重ねたという。
その結果、HPE Arubaの提供するエンタープライズグレードの無線LANソリューションを採用して全学の無線LAN環境を刷新、一気に高度化することとした。具体的には、キャンパス内の8フロアにHPE ArubaのIEEE802.11ac対応アクセスポイント(AP)を2台ずつ設置、屋内全域で無線LANが利用できる環境を整えた。
SSIDを教職員や事務用、研究室用、学生のプライベート用、ゲスト用などに細分化して運用し、既に9割のトラフィックは無線を経由したものとなっており、とりわけ授業においては100%無線を経由したネットワーク接続が行われているとのこと。また、IoT関連研究室における様々なデバイス活用や、学生のプライベート利用、留学生の母国の家族とのコミュニケーションなどにも広範囲に活用されている。
同大学院大学では講義などにオープンソースLMS(Learning Management System)の「Moodle」を活用している。LMSを通じた資料配布などでは、20人の学生が1GB程度あるLinuxのCDイメージを一斉に無線LAN経由でダウンロードするなどの場面も想定されるが、今回導入した無線LAN環境では、こうした利用にも問題なくネットワーク接続が提供されるようになったという。
1つのAPで最大70人ほどの学生を収容できるため、高負荷により接続できなくなるようなトラブルが激減するとともに、AP1台あたりの利用人数から算定したコスト面での優位性もある。また、HPE ArubaのエンタープライズグレードのインスタントAP(IAP)導入により無線コントローラが不要となり、運用上の効率性向上も期待される。