Hewlett-Packard(HP)は米国時間3月2日、Aruba Networksを買収することで合意したと発表した。買収の総額は約30億ドルで、狙いは無線LAN製品ラインナップの拡充と、コンバージドネットワーク製品の販売力強化だ。
買収はHPの2015会計年度下半期に完了する予定。Arubaの年間売上高7億2900万ドルは、HPのネットワークビジネスに有意な影響を与える額であると同時に、HPのスケールメリットを享受できる額でもある。買収の完了後、Arubaの事業はHPのエンタープライズ事業に統合される。コンバージドネットワークに関する部門は、Arubaの最高経営責任者(CEO)であるDominic Orr氏と最高技術責任者(CTO)であるKeerti Melkote氏が率いる予定。
HPは発表の中で、Arubaの買収はHPのネットワーク分野の強化に直結すると述べた。また、買収を正当化する要素として、次世代規格802.11acによるアクセス性の向上、Aruba製品とHPのエンタープライズ製品およびネットワーク製品の高い親和性、HPの販売チャネルによるAruba製品の販売力強化などを挙げた。
HPのビジネスにArubaがどの程度の影響を与えるかについては、アナリストの間で意見が割れている。金融サービス企業Cantor FitzgeraldのアナリストであるBrian White氏は、Arubaの買収でHPのネットワーク製品ラインナップは確かに拡充されるとしながらも、HPはクラウドとビッグデータ分野の企業買収に資本を集中すべきだったと述べている。
IDCのデータによると、無線LAN製品の市場におけるシェア1位はCiscoの48.4%で、Arubaの11.5%、Ruckus Wirelessの6.3%、HPの5.8%がそれに続く。Arubaの買収によって、HPは市場シェアを大きく伸ばすことになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。