本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉をいくつか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、日本ヒューレット・パッカードの吉田仁志 代表取締役社長執行役員と、日本オラクルの白石昌樹 常務執行役員の発言を紹介する。
「アルバとの統合によって新たなネットワーク事業を推進したい」 (日本ヒューレット・パッカード 吉田仁志 代表取締役社長執行役員)
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日本ヒューレット・パッカードの吉田仁志 代表取締役社長執行役員
日本ヒューレット・パッカードが先ごろ、企業向け無線LANベンダーであるアルバネットワークスとの統合に伴うネットワーク事業戦略について記者説明会を開いた。吉田氏の冒頭の発言はその会見で、今後のネットワーク事業に向けた意気込みを語ったものである。
この会見は、両社の親会社である米Hewlett Packard Enterprise(HPE)が米Aruba Networksを2015年3月に約30億ドルで買収すると発表し、先ごろ統合が完了したのに伴うもの。日本では2016年1月1日付けでアルバネットワークスの全社員が日本ヒューレット・パッカードに移籍した。
吉田氏は両社の統合について、HPEが掲げる事業戦略「New Style of Business」に基づくものだと説明した。この戦略は、ハイブリッドインフラへの変革を推進する「ITインフラ」、デジタルエンタープライズを保護する「セキュリティ」、ワークプレイスの生産性向上を掲げた「ワークスタイル」、データ指向経営を推進する「データ活用」の4つのテーマからなり、これらすべてにArubaのモバイルソリューションが適用される形になる。
Arubaのモバイルソリューションにおけるアドバンテージとしては、先進のアプリケーションを迅速かつ柔軟に展開する「Agile Data Center」、無線LANをフル活用した「Digital Workplace」、モバイルでさまざまなエンゲージメントを可能にする「Mobile Engagement」、高度なネットワークセキュリティに対応した「Adaptive Trust」といった4つのキーワードを挙げた。
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HPEの事業戦略とArubaのアドバンテージ(出典:日本ヒューレット・パッカードの資料)