IBM World of Watson

IBM World of Watsonが開幕へ--2日目にロメッティ会長が登壇

怒賀新也 (編集部)

2016-10-25 10:15

 IBMは米国時間の10月24日から27日まで、ラスベガスでユーザーイベント「IBM World of Watson 2016」を開催する。昨年まで別々に実施していたWorld of Watsonと「Insight」を、Watsonの名称で一本化して実施する。IBMが「コグニティブビジネス」として対象とする、いわゆる人工知能(AI)分野において、最新技術とともに、エンタープライズ向けIT分野での導入事例が増えてきている点を、2万人を見込む来場者にアピールする。

 今回のポイントは、IBMの会長、社長、最高経営責任者(CEO)を兼任するVirginia Rometty氏が登壇すること。パートナー向けイベント以外に登壇するのは3、4年ぶりだという。

 また、コグニティブソリューションおよびリサーチ部門担当のシニアバイスプレジデントで、IBM全体の戦略を考えているというJohn Kelly氏や、『フラット化する世界』の著者であるThomas Friedman氏、Slackの創立者でCEOのStewart Butterfield氏、日本人ではマサチューセッツ工科大学(MIT)Media Labsの伊藤穣一氏もスピーカーリストに挙がっている。

 ユーザーでは、KPMGやBMW、American Airlinesのほか、自然言語分野でAppleが登壇するのではないかとの話も出ている。日本からは、東京大学の医学研究所、ヒトゲノム解析センターのセンター長、宮野悟氏が、2日目のRometty氏による「Chairman's Keynote」に登壇する予定となっており、内容に注目が集まる。また、本田技研工業、みずほ銀行といった企業がセッションを担当する。

 Rometty氏は年初に「IBMはコグニティブソリューションとクラウドプラットフォームの会社」と表現した。人工知能(AI)分野では、Amazon、Facebook、Google、IBM、Microsoft、Google傘下のDeepMindという米主要IT企業が協力してAIへの理解を深めることで協業すると発表している。

 巨大企業が足並みをそろえたことに、「何かしらの指南役がいるのではないか」との憶測が出ているのも確かだ。最近になって聞いた関係者の話によると、米国の国策が絡んでいるとの見方もあるようだ。具体的には、米国のソフトウェア業界で活躍する人の多くがインド人をはじめとする外国人であり、長期的にみると米国にノウハウが残らない構造になっていると認識しているとのこと。それに対して米国が国として懸念を持っているという。今回のイベントで、IBMがこの話題に触れるかは分からないが、視点の1つであることは間違いない。

 また、クラウドでは、先日発表があったAmazon Web Services(AWS)とVMwareによる提携を、IBMがどのように受け止めているかも気になるところ。VMwareのシステム基盤で稼働しているオンプレミスシステムの有力な移行先としてAWSが選択肢に入ってくるということは、IBMのみならず、Microsoftなどクラウドのライバル企業にとってかなりインパクトのあるニュースだと考えられるからだ。

 ZDNet Japanでは会の内容を現地から伝える。

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