IBMは、ミュンヘンのWatson IoT部門本部に2億ドルを投資して、顧客とのコラボレーション拠点を設置することを発表した。
この2億ドルは、「Watson IoT」に対する総額30億ドルの投資の一部だが、今回の発表は同社が欧州を重視していることを示している。米国時間10月3日には、MicrosoftもフランスにAzure事業の拠点を設置すると発表している。
IBMによれば、ミュンヘンの拠点への投資は、Watson IoTに対する需要増に対応するためのものだ。Watson IoTの顧客は8カ月前には4000社だったが、現在では6000社にまで増加しているという。
ミュンヘンに設置されるコラボレーション拠点は、Watson IoT部門がさまざまな業界の顧客と協力して、新たなコンセプトを実現するための取り組みのハブとして機能する。IBM Watson IoT部門の責任者Harriet Green氏は、最近のインタビューの中で、ミュンヘンは米国とアジアの中間に位置していると述べている。またこのエリアは、Green氏が「インダストリー4.0」と呼んでいる動きに関わる、優秀な人材が集まっている地域でもあるという。
さらにIBMは、同社が自動車や産業機械の大手部品メーカーであるSchaefflerを顧客に迎え、事業のデジタル変革を推し進めると同時に、同社のセンサ群を使用したコグニティブツールを展開することを目標とした複数年契約を結んだことも明らかにしている。
Schaefflerとの契約では、機械学習による風力発電の最適化や、電車の監視と最適化、コネクテッドカーやその部品などに関する取り組みを進めるという。
また、米フィラデルフィア州のトーマスジェファーソン大学病院は、治療の質を向上させ、患者の体験を改善することを目的として、IBMと共同でWatson IoTを使用した病室を設ける。
IBMはまた、新たな開発者向けのWatson IoTツール、自然言語処理インターフェース、セキュリティサービス、ブロックチェーン技術など、さまざまなIoT関連の新製品をリリースすることも発表している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。