デル、日本市場向け戦略--ハイパーコンバージドなどに注力 - (page 2)

大河原克行

2016-11-17 13:25

 ハイパーコンバージドシステム(HCI)では、「VxRack System 1000」と「VxRail 4.0」を発売すると発表した。VxRack System 1000およびVxRailは、Dell EMC PowerEdgeサーバを基盤にしたのが最大の特徴だ。

 VxRack System 1000は、統合したToR(Top-of-Rack)、Leaf(葉)/Spine(幹)型のネットワーキングおよびSDNオプションを提供する唯一のラックスケールハイパーコンバージドシステムと位置づける。

 エンタープライズレベルの回復性と、小規模導入からスタートできる高い拡張性を持った製品で、フットプリントやコストを増やすことなく、より大きな容量を提供。CPUパフォーマンスは40%向上しているという。VxRack System 1000の価格は個別見積もりとなっている。

 VxRailは、VMware環境向けに開発され、完全に最適化されている業界唯一のHCIアプライアンスとし、Intel Broadwellプラットフォームを採用。VMware vSphere、VMware VSANテクノロジによる構成をサポートした。同価格でも、40%高いCPUパフォーマンスを実現。柔軟性と拡張性の向上を達成している。

 1つのノードには従来モデルに比べて2倍のストレージを実装でき、最小3ノード構成からの販売が可能になっている。Dell EMC VxRailの価格は、Eシリーズ3ノードの最小構成で、500万円から。

 「ITプラットフォームの課題で最も多いのが、構築に時間とコストがかかること、拡張・増設が複雑で時間がかかるというもの。だが、HCIによって、迅速な立ち上げや追加が可能になる。ハイパーコンバージドシステムによって、顧客が感じている煩わしさを解消できる。TCOは最大で30%の削減が可能。さらに、プロッセッサやメモリ、ストレージ、ネットワーク、GPU、電源など、柔軟性を持った構成が可能であり、選択肢を広げることができる」とした。

 さらに、Dell EMC Data Domainアプライアンスファミリの新製品として、「DD6300」、「DD6800」、「DD9300」、「DD9800」の4つの製品を投入。DD6300は、小規模・中堅企業向けに構築されたオールインワン型のターンキーモデル。また、DD6800、DD9300、DD9800は、容量および高可用性などの機能を拡張。ハードウェアの突発的な障害発生時におけるダウンタイムの最小化とビジネス継続性の確保を実現。DD9800は、競合製品と比べて、7倍の拡張性と、1.5倍のスピードを発揮し、5倍のストリームをサポートできるという。

 さらに、フラッシュの搭載により、仮想環境でのユーザーエクスペリエンスを向上。「Dell EMC Avamar(アバマー)」ソフトウェアと組み合わせることで、保護した仮想マシンへのインスタンスに、20倍高速にアクセスできるという。

 また、新たなオペレーティングシステムとして、「DD OS 6.0」を発表。Data Domain Cloud Tierに加えて、ビッグデータに対するエンタープライズレベルの保護機能を提供するDell EMC Data Protection Suite for Applicationsを通じて、新たにHadoopとの高度な統合を提供するという。価格は、DD6300で、最小構成で580万円から。

 「フラッシュのパワーを、保護ストレージに反映した製品ともいえ、まさに、Data Domainの進化は止まらないことを証明した。一定期間使われなかったデータをクラウドに移行するData Domain Cloud Tierによって、長期保管データの階層化を実現。Boost for File Systemsとして、どこでも分散重複排除が利用できるほか、Data Domain Virtual Editionにより、マルチテナントやクラウド階層化といった主要な機能を、ソフトウェアデファインド版でも利用できるようにした。ソフトウェアの進化によって、いかに顧客の要求に対応していくかが鍵になるなかで、ソフトウェアデファインドによって、柔軟なプラットフォーム選択や短時間での導入のほか、スケールアウト指向の保護ストレージを実現できる」とした。

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