DellとEMCは米国時間8月30日、中国商務部(MOFCOM)がDellによるEMCの買収を承認したことを発表した。これにより、9月7日に買収が完了する見込みだ。新社名は「Dell Technologies」となる。
買収は2015年10月に発表された。買収金額は670億ドルで、IT業界最大規模となった。すでに米国、欧州連合などの規制当局の承認を受けており、7月にはEMCの株主による承認も得ている。中国は最後の関門となっていた。
Dellを創業し、会長兼最高経営責任者(CEO)を務めるMichael Dell氏は、「DellとEMCの双方にとって歴史的瞬間となる。合併した企業は、デジタルトランスフォーメーション、ソフトウェア定義データセンター、コンバージドインフラ、ハイブリッドクラウド、モバイル、セキュリティなど次世代のITにおける最も戦略的な分野での成長に向け、非常に好位置につく」とコメントしている。
EMCの会長兼CEOのJoe Tucci氏は、「EMCはボストンに拠点を置く小さなスタートアップとして始まり、顧客を第一とする世界的な技術企業となった。こうしてわれわれがEMCで築いたすべてを誇りに思う」とし、Dellと合併することで「業界に新しい強力な企業が生まれる」としている。なお、EMCはDell Technologiesの下、「Dell EMC」として再スタートを切る。
DellはEMCのグループ企業であるVMware、RSA、VCE、Pivotalといった企業も傘下に収める。8月29日、米ラスベガスで開催中のVMwareの年次イベント「VMworld 2016」に登場したDell氏は、買収後の企業について、「非公開企業であるため長期的視野に立って柔軟に投資ができる」と強みを強調していた。
Dell TechnologiesはHewlett Packard Enterprise(HPE)、IBMらと競合することになる。