HP Enterpriseの最高経営責任者(CEO)に就任するMeg Whitman氏が競合Dellによる670億ドルのEMC買収に対し、恐怖、不安、疑念(Fear, Uncertainty and Doubt)の心理を用いるFUD作戦を展開している。
HPがエンタープライズ事業部とPC、プリンターにフォーカスした事業部との分割を行っている最中にライバルが動いていることを考慮すると、Whitman氏の意見は驚きには値しないし、他のエンタープライズベンダーもWhitman氏の意見に共鳴するだろう。
小規模なベンダーと大規模なベンダーのどちらがエンタープライズ顧客にとってよいのか、が議論のテーマだ。Whitman氏の意見は、同氏がHP Enterpriseの社員に宛てた電子メールが代弁している。以下がその抜粋である。
Hewlett Packard Enterprise社員全員へ
DellがEMCを670億ドルで買収するというニュースを知っていることと思います。ここでなぜ、Dellの動きがわれわれHewlett Packard Enterpriseにとって好機となるのか、このタイミングがチャンスになるのか、私の考えを述べたいと思います。これは、われわれが示した戦略が正しいことを認めるものであり、他社がわれわれを模倣しようとしても驚きではありません。しかし、現実ではわれわれは2年先をいっており、他社は簡単には追いつくことなどできないはずです。
まずは、合併後に誕生する企業は500億ドルの債務に対する利息を払わなければなりません。Dellは利息だけで年間約25億ドルを支払うことになります。われわれはこの25億ドルを研究開発とその他の重要な活動に投じることができますが、Dellは顧客により良いサービスを提供できなくなります。
次にEMCとDellの統合に目を向けてみましょう。売り上げを単純に合計すると750億ドル以上、約20万人規模の社員を抱えることになり、統合は並大抵のことではありません。
Whitman氏はこのほか、2社のポートフォリオの統合、チャネルに与える影響を取り上げ、「このようなときに、われわれはそれぞれの事業にフォーカスした2社への分割を完了することになる。われわれは組織化されており、堅牢なバランスシートを持ち、イノベーションエンジンも活発だ」として、このタイミングを活用するよう従業員に呼びかけている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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