公文、SaaS型社内SNS「SKIP」を全社導入--ナレッジマネジメント基盤として活用

富永恭子(ロビンソン)

2010-09-09 18:51

 ITホールディングスグループ、TISの社内ベンチャーカンパニーであるSonicGardenは9月9日、日本公文教育研究会(公文)に社内SNS「SKIP」を導入したと発表した。

 SKIPは、SonicGardenが提供している社内向けSNSのクラウドサービス。社員同士のコミュニケーションの活性化とともに、社員が持つノウハウ共有、Q&Aによる助け合いなどのナレッジマネジメントを支援する。人材派遣、教育、金融、情報サービスなどの業界で活用されているという。

 公文では、国内を7つのゾーンに区分し、計89カ所の事務局を設けて事業を展開している。各事務局には10〜40名の事務員が働いており、担当教室の指導相談やアドバイス、新規教室の開拓にあたっている。しかし異なるゾーンの事務局同士が交流する機会は少なく、情報交換の場もほとんどなかった。また、この対策としてグループウェアで各部署の実績や新規教室の展開といった「形式知の共有」をこれまで行っていたが、気軽な相談やディスカッションなど「暗黙知の共有」が課題だったという。

 そこで同社では、社員同士のコミュニケーションを活性化させる場として社内SNSに注目。2007年ごろから実験的にIT戦略室(情報システム部門)の中だけで利用する社内SNSを設けて実験的な利用を開始した。その際、SNS活用に手ごたえを感じたものの、当時利用していたオープンソースのSNSは、招待制のシステムで、ニックネームを利用して参加するものであるなど、社員同士がオープンにつながる場としての機能面の不足など、使い勝手に検討の余地があったという。

 今回のSKIPの採用においては、利用者すべてが実名で、全社員がフラットな関係で運用できること、コメント機能などディスカッションの履歴を追いやすくQ&Aが使いやすいなど、機能面での評価とともに、導入コストが低いことも決め手になったとしている。

 公文では、2009年春よりIT全体を活用するための社内プロジェクト「IT活用委員会」を社内で発足させ、3カ月限定で試験的に首都圏ゾーンの営業部門を中心にSKIPの利用を開始。徐々に、SKIP上で活発なディスカッションが行われるようになったという。この結果を受けて全社導入を検討し、4月に正式な承認を得て全社的な導入に至った。現在、約780名以上の社員が活用しているという。

 公文では、将来的に社内PCを利用している2300名まで利用者数を拡大し「社内の暗黙知を共有するための基盤」としてのSKIPの活用を目指すとしている。

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