事例に学ぶ、オールフラッシュ選定のポイントとは--性能・運用性・コスト削減の詳細(HPE講演より)
オールフラッシュストレージ選定の3つのポイントとは
IoT時代の企業戦略において、ストレージはどのような役割を果たしていくのか。
日本ヒューレット・パッカードのセッションには、ストレージ事業統括本部 ストレージエバンジェリストの高野勝氏が登壇。「導入効果からみるオールフラッシュストレージ選定の注意点とノウハウ」と題し、オールフラッシュ選定の3つのポイントを解説した。
高野勝氏
日本ヒューレット・パッカード
ストレージ事業統括本部
ストレージエバンジェリスト
高野氏はまず、オールフラッシュが市場に急速に普及していることをHPEが提供する製品を例に解説。具体的には、HPEの3PAR StoreServは、2014年から2015年にかけて売上高で237%成長、2015年第1四半期に26%だったオールフラッシュのシェアは、2016年第1四半期に40%にまで拡大した。
同社製品の国内導入事例としては、メーカーのライオンが基幹業務システムにオールフラッシュを採用し、19時間の週次バッチ処理を7時間50分と60%短縮させるなど成果をあげている。また、サービスプロバイダのインターネットイニシアティブでは、中核サービスにオールフラッシュを採用。ストレージサービスのI/O性能保証を実現する一方、ラックあたりのストレージ容量を3倍にするといった成果を上げたという。
「フラッシュは基幹システムやeコマース、アプリケーション統合などさまざまな領域に拡大しています。オンライン処理とリアルタイム化により、フラッシュへのニーズはさらに進むでしょう」(高野)
そのうえで高野氏は、オールフラッシュストレージ選定のポイントとして「コストパフォーマンス、ストレージ機能、可用性とサポートという3つに注目すべきです」とアドバイスした。この3つのポイントのいずれでも高い評価を得ている製品が、同社の3PARだ。
3PAR StoreServはコストパフォーマンスが高く、圧縮や重複排除などの技術により、容量単価はハードディスクとほぼ同等になる。「性能は8倍以上、集約率はハードディスクの5倍、消費電力は4分の1も削減することができる」という。
次のストレージ機能については、データタイプごとに最適なソリューションを選択できることや、ストレージQoSとしてIOPSだけでなくレイテンシも設定できることがポイントだ。また、高速バックアップやオンラインインポート機能などを備える。
最後の可用性とサポートについては、99.9999%の可用性を実現していることがポイントだ。また、ストレージに精通したエンジニアによる定期的なアップデートや、障害状況の定期的な提供などを標準で提供する「プロアクティブケア」など特徴的なサービスも提供する。
最後に高野氏は来場者に対し、「性能が劇的に向上するだけでなく、運用性が高まることや、電力など日々の運用コストが大幅に削減できることに目を向けて選定を進めてください」と呼びかけ、講演を終えた。