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スムーズなクラウド移行を実現する
Azure VMware Solution
その強みや事例を探る

 インフラの仮想化が進んだ2000年代、多くの企業は仮想化を実現するソリューションとしてVMware製品を採用した。その後クラウド化が進み、VMware製品をオンプレミスで運用していた企業もクラウドへの移行を検討するようになった。

 Azure VMware Solutionは、そのような企業の救世主となるようなソリューションだ。AzureとVMware製品を統合した同ソリューションにより、オンプレミス上のVMware製品上のワークロードを、シームレスにAzureへと移行できるようになる。使い慣れたVMware製品による仮想化環境のさまざまなツールが、Azure上でネイティブに実行できるようになるのだ。

 MicrosoftとVMwareの連携によって誕生したこのソリューションを、より幅広いユーザーに知ってもらおうと、両社は「Extend to the Cloud with Azure VMware Solution」(Azure VMware Solutionによるクラウドへの拡張)というデジタルイベントを開催した。同イベントの基調講演では、米Microsoft Azureマーケティング担当コーポレートバイスプレジデントのKathleen Mitford氏と、VMware, Inc. 社長のSumit Dhawan氏が司会を務め、両社のリーダーを招いてAzure VMware Solutionの強みを紹介。また、同ソリューションを使った最新事例や新機能についても語った。

Azure VMware Solutionとは

 Azure VMware Solutionは、クラウドの導入を簡素化し、オンプレミス上の既存の資産をモダナイゼーションして活用できるソリューションだ。特にここ数年はパンデミックによってリモートワーク化が進み、ハイブリッドな職場環境に対応する中で、企業にとってクラウド化が不可欠になった。こうした企業の課題に対応する形で、米Microsoftは2020年5月にAzure VMware Solutionのプレビューを発表、同年9月には正式にサービスを提供開始した。日本でも東日本リージョンで同年12月、西日本は2021年11月より提供開始されている。

米Microsoft Azureマーケティング担当コーポレートバイスプレジデント Kathleen Mitford氏
米Microsoft Azureマーケティング担当
コーポレートバイスプレジデント
Kathleen Mitford氏

 MicrosoftのMitford氏は、Azure VMware Solutionについて、「顧客の現状に即して設計されているため、現在のビジネスプラットフォームを顧客の条件に合わせて移行し、近代化することが可能だ」と説明する。また、VMwareのDhawan氏は、「VMwareとMicrosoftによる共同ソリューションを活用することで、特にここ数年で顧客が直面している前例のない課題に対応し、ビジネスを成功に導くことができる」としている。

VMware, Inc. 社長<br>Sumit Dhawan氏
VMware, Inc.
社長
Sumit Dhawan氏

両社幹部がAzure VMware Solutionのメリットを強調

 VMware, Inc. クラウドサービス担当 上級副社長兼 ゼネラルマネージャのMark Lohmeyer氏は、Azure VMware Solutionの目的が、「VMware製品とAzureのベストな部分を組み合わせたものを、両社の顧客に提供することにある」と述べる。

 「これは、単にAzureにVMware製品のコア機能をサービスとして届ける以上のものだ。現在オンプレミスでVMware製品のツールやテクノロジを活用している顧客が、Azure VMware Solutionによって、VMware vSphereによるコンピュート機能や、vSANによるストレージ機能、NSX-Tによるネットワーキングとセキュリティ機能をAzureで利用できるようになるだけでなく、クラウドの拡張性、柔軟性、サービスデリバリ、グローバル展開など、Azureの利点もすべて活用できる」(Lohmeyer氏)

VMware, Inc. クラウドサービス担当 上級副社長兼 ゼネラルマネージャ Mark Lohmeyer氏
VMware, Inc.
クラウドサービス担当
上級副社長兼 ゼネラルマネージャ
Mark Lohmeyer氏

 米Microsoft Azureエンジニアリング担当 コーポレートバイスプレジデントのEric Lockard氏は、Azure VMware Solutionの利点について、「Azureのインフラ上にSDDC(ソフトウェア定義型データセンター)を展開できるようになる。必要な時に必要な容量を確保し、総所有コスト(TCO)が削減可能だ」と話す。「オンプレミスのVMware製品も素晴らしいが、クラウドのVMware製品はもっと素晴らしい。クラウドには、ハードウェアの寿命やファームウェアのパッチを心配する必要がないといった利点があり、世界中で展開するインフラによってさまざまな地域での活用も可能だ。Azure VMware Solutionは、オンプレミスでVMware製品を使用している顧客がクラウドへ移行するにあたって最適な方法だ」と強調する。

 Lockard氏は、Azure VMware Solutionにはライセンス上のメリットもあると話す。VMware製品のライセンスそのものがソリューションに含まれているため、サービスの一部としてVMware製品の機能が利用できるためだ。また、VMware vSphere上のワークロードの大半でMicrosoftのソフトウェアが実行されていることから、「これらのライセンスもAzure VMware Solutionに持ち込むことが可能で、再購入する必要はない。さらに、セキュリティ面でのメリットも大きい。2022年と2023年に延長サポート期限を迎えるWindows Server 2012 / 2012 R2とSQL Server 2012 / 2012 R2に対し、最大3年間の拡張セキュリティ更新プログラム(Extended Security Updates、ESU)無償で利用することが可能だ」と説明している。

米Microsoft Azureエンジニアリング担当 コーポレートバイスプレジデント Eric Lockard氏
米Microsoft
Azureエンジニアリング担当
コーポレートバイスプレジデント
Eric Lockard氏

 Lohmeyer氏も、「Azure VMware SolutionはAzureのサービスなので、ソリューション上で稼働するWindowsワークロードに対しても通常と同様にライセンスと延長サポートが受けられる」とコメント。さらに、Azure VMware Solutionは、Azureのベアメタルハードウェア上でコアとなるVMware vSphere上のコンピュート、ネットワーク、ストレージ機能を直接稼働させているため、「vSphere特有のリソース管理とリソース最適化機能によるコスト削減が可能だ」としている。

 「自社のデータセンター内でvSphereを実行した時に得られる利点は、すべてAzure VMware Solutionでも同様に得ることができる。Microsoftがシステムのライフサイクルすべてのメリットを提供することで、ユーザーはインフラのメンテナンスではなく、ビジネスの変革に集中することができる。Azure VMware Solutionは、vSphereベースのワークロードをAzureで長期的に実行するにあたって非常にコスト効率の高い方法だ」(Lohmeyer氏)

さまざまな業界で導入が進むAzure VMware Solution

 Mitford氏によると、Azure VMware Solutionはすでにさまざまな組織で採用が進んでいるという。講演ではまず、同ソリューションを採用したマイアミ大学 インフラストラクチャ担当ITディレクターのMari Lovo氏が、クラウド化に至る前の課題や、Azure VMware Solution導入によるメリットなどを語った。

 Lovo氏によると、マイアミ大学ではハードウェアのリプレイス時期を迎えていたほか、旧バージョンのMicrosoftアプリケーションを使用していたという。同時に、ハリケーンの多いマイアミという地域性もあり、「ディザスタリカバリ対策としても、よりレジリエンス(回復力)の高い環境を構築する必要があった」という。

マイアミ大学 インフラストラクチャ担当ITディレクター Mari Lovo氏
マイアミ大学
インフラストラクチャ担当ITディレクター
Mari Lovo氏

 Azure VMware Solutionを選択した背景については、「すでにMicrosoftとパートナーシップを結んでおり、Azureを大規模展開していたことが大きい。AzureのオプションとしてAzure VMware Solutionが用意されていたことで、簡単に決断できた」(Lovo氏)としている。

 同大学でまず取り組んだのは、ウェブサイトのクラウド化だ。「ウェブサイトは大学内での主要なコミュニケーション手段。そのため常時稼働させておく必要があった」とLovo氏はいう。

 Azure VMware Solutionによるクラウド化を実現したことで、「これまで以上に機敏で柔軟性が高まり、オンプレミスでは実現できなかったスケーラビリティが備わった。大規模なハードウェアに投資することなく、Azureのリソースが利用できる。ノードを追加しなくても、ストレージやゲストVM、その他のサービスをクラスタに追加できている。Azure VMware Solutionのエコシステムにより、必要以上にリソースを追加することなくサービスが活用できる」とLovo氏。

 また、IT部門だけでなく、学生や職員に対しても「ハードウェアの調達やセットアップを気にすることなく、リソースやサービスがすぐに展開できるようになった」としている。

 Lovo氏は、「今後はPaaSをはじめ、あらゆるソリューションでAzureに移行するワークロードを増やし、Azure VMware Solutionをより活用したい」と話す。また、「これまでフォーカスしてきた運用面だけでなく、大学のアカデミックサイドに提供するサービスの幅も広げていく予定だ。そのため、大学の研究・教育部門向けのサービスやリソースをさらに充実させたい」としている。

 次に登場したのは、米アパレル企業CarharttでITインフラ&セキュリティ担当 バイスプレジデントを務めるTim Masey氏だ。Carharttでは、ビジネスおよびテクノロジの観点から、環境をクラウドに拡張することを決断した。

 「約3年半前、デジタルトランスフォーメーションだけでなく、ビジネスの変革にも取り組みたいと考えた。そこで最初に取り組んだのは、オンプレミスで運用していたERPシステムをクラウド化することだった」と、Masey氏は当時を振り返る。

 Carharttはクラウドファーストの組織を目指し、Azure VMware Solutionでのクラウド移行を決意。すでに95%がVMware製品で仮想化されていたため、「移行は本当に簡単だった」とMasey氏は言う。

 Azure VMware Solutionを選択したのは、「ネットワークとコアネットワーキングレイヤを維持したかったためだ。システムのIPアドレスを変更すると、アプリケーション統合テストやAPIテストなど、あらゆる種類のテストを行う必要がある。これには多大な時間と労力がかかる。そこで、基盤となるネットワークインフラが維持できるシステムを探していた」とMasey氏。

米Carhartt ITインフラ&セキュリティ担当 バイスプレジデント Tim Masey氏
米Carhartt
ITインフラ&セキュリティ担当
バイスプレジデント
Tim Masey氏

 「新しいソリューションだったので不安だったが、調べてみるとすでに利用しているユーザーも満足していることがわかった。仮想環境の設定を変更する必要がなく、アプリケーションのテストや互換性テスト、リグレッションテストなども必要ない。本当にシームレスに移行できた」(Masey氏)

 また同社では、複数のセキュリティセグメンテーションを用意しており、その移行をスムーズに行えることも条件だった。この移行についても、「ダウンタイムはほとんどなかった」という。

 現在は移行を終えて運用フェーズに入っている同社だが、Azure VMware SolutionのメリットについてMasey氏は、「安定性と可用性が高まり、複数の地域のバックアップとリカバリが可能になった。あるリージョンで問題が発生した場合、別のリージョンにシームレスに移行できることがビジネス上のメリットだ。すでにシステムを使ったディザスタリカバリのテストも何度か実施している」と話す。

 さらにMasey氏は、「システムの成長に合わせて規模が変更でき、俊敏性も備わっている。データセンターに時間や人材を投入することなくレジリエンスが高められる」と続ける。「システムの拡張や縮小時には、すべて自動的にCPUの数やメモリの数、ストレージの数などが決まる。これまでのようにデータセンターで時間をかけてハードウェアの構成を考えてサイズを決め、システムをダウンさせる必要もなくなった。以前は手動でやっていたことが、すべて自動でできるようになったのだ。これで、アプリケーションパフォーマンスエンジニアがビジネスに集中できるようになった」

 今後もCarharttでは、複数の大規模システムをクラウドに移行する計画で、VMware Horizonによる仮想デスクトップインフラ(VDI)もAzureに移行する予定だという。「VDIの移行により、開発チームやリモートで働くすべての人が、オンプレミスにあるシステムに直接アクセスできるようになる。クラウドに移行すれば、今までにない体験が提供できる。開発のスピードも高まり、世界中に開発者を抱えることができるだろう」(Masey氏)

進化を続けるAzure VMware Solution

 当初は4つのリージョンでスタートしたAzure VMware Solutionは、現在では21のリージョンで展開しており、欧州のGDPR(一般データ保護規則)や、米国政府機関におけるクラウドセキュリティ認証制度FedRAMPなど、さまざまな規制やコンプライアンスにも対応している。日本でも、早い段階から政府情報システムのためのセキュリティ評価制度であるISMAPの認証を受けている。

 今後展開予定の新機能としてLockard氏は、高可用性ディザスタリカバリソリューションのストレッチクラスター機能を挙げた。これは現在プライベートプレビュー中で、「今後多くの地域で展開する予定だ」という。また、需要に応じてハードウェアサイズを拡張しているほか、vSphere 7もテスト中で、Azure VMware SolutionのすべてがまもなくvSphere 7に対応するという。

 VMwareサイドでも「Azure VMware Solutionでより高度なクラウドサービスを実現しようと取り組んでいる」とLohmeyer氏。「例えば、vRealizeの管理ポートフォリオを提供することで、自動化やモニタリング、ネットワーク検出管理など、強力な管理機能がAzure VMware Solutionで実現できる。ディザスタリカバリソリューションのVMware Site Recoveryも利用できるようになった。また、アプリケーションデリバリーサービス向けのロードバランシングなど、NSXの高度な機能も利用できるようになっている。さらに、クラウドネイティブのマイクロサービスやKubernetesベースのアプリケーションを構築・実行するTanzuポートフォリオも、Azure VMware Solutionで利用可能となった」(Lohmeyer氏)

 Dhawan氏は、「過去には競合関係にあったMicrosoftとVMwareが、今では顧客の成功に向け協力し合っている。Azure VMware Solutionのすばらしい成功事例を聞くと本当に嬉しい。今後も2社で協力し、顧客のシステムに俊敏性と柔軟性、レジリエンスを提供していきたい」と述べた。

 本イベントには登場していないが、日本でもBIPROGY 株式会社(旧日本ユニシス株式会社)や金融系事例としてニッセイ・ウェルス生命保険株式会社のクラウド移行としての採用実績があり、その他にも多くの業種・業態で導入に向けたプロジェクトが進んでいるようだ。

提供:日本マイクロソフト株式会社
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