カギは「生産性とセキュリティ担保の両立」にあり!~ユーザー調査からひも解く、働き方改革でIT部門がすべきこととは?~

働き方改革が進む中、いかに利便性とセキュリティを両立するかがあらためて問われるようになった。そんななか、ソフトバンク コマース&サービス(以下、ソフトバンクC&S)は、10月19日に開催された「Dell Technologies Forum」のセッションで、「2020年の新常識を問う ~生産性とセキュリティの矛盾を乗り越えろ~」と題する講演を行い、それに対するアプローチを紹介した。

働き方改革で先鋭化する「自由 vs 管理の戦い」をどう治めるか

 働き方改革に向けた企業の取り組みが活発化している。2019年4月1日から働き方改革関連法が施行されることもあり、モバイルワークやテレワークに向けたIT基盤の整備に忙しいIT部門も少なくないはずだ。ただ、働き方改革では、ビジネス部門とIT部門との間に横たわる大きな溝が取り組みの障害になりやすい。

 その溝とは、より自由で高い利便性を求めるビジネス部門と、より安全で高い管理性を備えたいIT部門との間の意識のズレだ。ビジネス部門は働きやすさや効率の良さを追求するあまり、セキュリティやコンプライアンスに十分な意識がまわらないことが少なくない。それが設定ミスやうっかりミスなどを誘発し、情報漏えいにつながるケースもある。一方、IT部門は企業の情報を守ろうとするため、管理規則や情報取り扱いのポリシーを徹底しようとする。それが業務の働きやすさを低下することにつながることも多い。

ソフトバンクC&S
エバンジェリスト 大塚 正之氏
ソフトバンクC&S
エバンジェリスト
大塚 正之氏

 働き方改革を推進するうえでIT部門は、永遠のテーマとも言えるこうした「自由 vs 管理」の課題にどう立ち向かっていけばよいのか――。この課題に対して、ソフトバンクC&Sの大塚正之氏は、「働き方改革における生産性向上には、多様性と利便性を容認することがポイントになります。一方、さまざまな環境を統合管理することでセキュリティを強化することも必要です。“自由と管理の両立”を図っていくことが重要なのです」と指摘した。

 ITの世界では、自由と管理を対立する概念としてとらえがちだ。例えば、テレワークを実現するためにデバイスの持ち出しを認める場合、そのデバイスを使って自由にインターネットアクセスができてしまえば、情報漏えいのリスクが高まる。かといって、自由を制限し、特定のサイトにしかアクセスできないようにすると、ユーザーは業務に必要なケースでもWebサイトにアクセスできないというケースが増えてくる。

 では、自由と管理の両立をどのように図っていけばよいのか。それを解説するために大塚氏はまず、企業が働き方改革でどのような点に課題を抱いているのかをソフトバンクC&Sが行ったユーザー調査の結果から解き明かしていった。

2020年に向けた働き方改革で必要になる3つの要素

 ソフトバンクC&Sが独自に行った600社に対するユーザー調査によると、87%の企業で働き方改革が進められており、実際に進めている取り組みで最も多かったのは「在宅勤務やリモートワークを許可・推奨」で、実に42% にも達している。なかでもモバイルデバイスを使ったモバイルワークは、電車内やカフェ、公園など、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方を実現する手段として、高い関心を集めている。

 「モバイルワークを実現するためには、ノートPC、スマートフォン、タブレットなどさまざまなデバイスで業務に必要なアプリケーションにアクセスする必要があります。また、デバイスが多様化しているのと同様に、業務に必要なアプリケーションも多様化しています。クラウドを使って多様なサービスが提供されており、これらをうまく使いこなしていかなければなりません。2020年には、モビリティ(移動性)が存在することが常識となり、企業にはモビリティを前提とした取り組みが求められているのです」(大塚氏)

 そのうえで大塚氏は、2020年に向けた働き方改革で求められる要件として、「モバイル」「クラウド」「セキュリティ」の3つを挙げた。1つめのモバイルで重要なことは、多種多様化するモバイルデバイスにいかに対応していくかということだ。企業が支給するものだけでなく、私物を業務に持ち込むことも考慮する必要がある。2つめのクラウドは、メールやファイル共有、チャット、営業支援、経費精算など、あらゆる業務がSaaSを中心に簡単に利用できるようになったことを踏まえたものだ。ユーザー調査ではクラウドサービスの魅力として、「PC以外にも使えること」と回答した人の割合が40.1%に達しており、いつでもどこからでも情報をやりとりできる利便性が評価されている。具体的なサービスとしては2017年から2018年にかけて、Office 365やBox、Dropbox、Salesforceの人気が高まっているという。

 ただし、こうしたクラウドサービス(SaaS)を利用するうえでの懸念も大きい。これが、3つめのセキュリティであり、アンケートでは56.5%のユーザーが「なりすまし・パスワード流出などのセキュリティ対策」を懸念に挙げている。

3つの課題を解決し、自由と管理を両立する「VMware Workspace ONE」

 では、これらモバイル、クラウド、セキュリティについて、どのような対策を進めていけば、「自由 vs 管理の戦い」を解決できるのか。そこで、ソフトバンクC&Sが提案しているのが、ヴイエムウェアが提供する「VMware Workspace ONE」だ。VMware Workspace ONEは、さまざまなデバイスから、SaaSを含めた多様な業務アプリに安全にアクセスできるデジタルワークスペースを提供する。

 管理者にとってもWorkspace ONEのメリットは大きい。ノートPCの社内への配布から、スマートフォンやタブレットといった社外で用いるデバイスの管理、それらデバイスで利用するSaaSやWindowsアプリケーション、仮想デスクトップなどを統合的に管理することができる。

 大塚氏は、実際にモバイルワークを中心とした働き方改革を進めるなかで、どのようなシーンで何が課題になりやすいかについて、ソフトバンクC&Sのプリセールスコンサルタントである吉田哲平氏とともに、デモを交えて紹介していった。

 例えば、クライアントPCの配布では、これまでは社員に配布する前に必要な設定をしたり、ユーザーのアカウント登録を行ったりといった作業が必要だった。だが、Workspace ONEを利用すると、ユーザーとデバイスを登録しさえすれば、事前に設定が施されていないPCでも、Workspace ONEにアクセスするだけでセットアップがすべて済んでしまう。設定できる項目は、Wi-Fi設定、証明書、順守ポリシー制限事項、ファイアウォールやアンチウイルス、VPN、パスコード、暗号化などだ。

ソフトバンクC&S ICT事業本部 MD本部 ICTソリューション販売推進統括部 ソリューション推進室 吉田哲平氏
ソフトバンクC&S
ICT事業本部 MD本部
ICTソリューション販売推進統括部
ソリューション推進室
吉田 哲平氏

 「箱から出してインターネットにつなぐだけです。IT部門にとって面倒なキッティング作業などをすべて省くことができます。運用においても、Windows Updateの適用状況などを把握したり、デバイスの安全性が担保できているかなどを統合的に管理できます。これにより、IT部門の働き方も変えることができます」と吉田氏はそのメリットを説明する。

 ユーザーが社内外でアプリケーションを利用する場合は、すべてWorkspace ONEが提供するサービスポータルから利用することになる。例えば、Office 365を利用する場合、Workspace ONEのサイトにアクセスすると、メールやスケジュール、ファイル共有、経費精算などのアプリケーションのアイコンが表示されるので、アイコンをクリックして業務を開始する。PCだけでなく、スマートフォンやタブレットからも全く同じ操作感で利用することができる。

従業員満足とセキュリティを両立するデジタルワークスペースの整備を

 ユーザーが実際に利用する際に気になる点についても、大塚氏が疑問を投げかけ、吉田氏がそれに答えるかたちで、解決方法をていねいに解説していった。

 たとえば、利用するアプリケーションが増えると、パスワード管理が煩雑になる。ソフトバンクC&Sの調査では、ユーザーは平均4.3種類のアプリケーションを利用しているが、覚えられるパスワードは平均2.8個と回答している。パスワードを覚えきれない数のアプリケーションを日常的に利用しているのが実態だ。

 そこで、Workspace ONEでは、シングルサインオン(SSO)を提供し、こうしたパスワード管理の煩雑さを解消している。また、マスターパスワードが漏洩しないように二要素認証も提供する。二要素認証はアプリやワンタイムパスワードのほか、iOSの指紋認証Touch IDや顔認証Face ID、携帯電話への電話認証などもサポートする。

 また、登録されたデバイスしか認証できないというデバイス認証の仕組みを提供し、日常的な使い方と異なる使い方をした場合にアクセスをブロックすることもできる。私物のデバイスからOffice 365などを利用しようとした場合も、登録されていないデバイスであることを検知して、正規のログイン画面へ誘導する仕組みとなっている。

 このように、Workspace ONEを利用すると、Windowsの簡単セットアップから、アプリポータルによる利便性の向上、SSOとID統合、なりすまし防止や二要素認証によるセキュリティ強化までを統合的に実現できる。ユーザーはさまざまなSaaSを普段と変わらずに利用できるようになり、IT部門はポータルからユーザーがいつ何をしたかを適切に管理することが可能になる。つまり、生産性の向上と、管理性の向上を両立できるというわけだ。


 最後に大塚氏は「働き方改革の推進には、ITの活用が欠かせません。便利で使いやすいITで従業員満足を高めると同時に、セキュリティを強化して安心・安全を確保できる、デジタルワークスペースがその近道になります」と訴え、講演を締めくくった。

提供:SB C&S株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2019年4月30日
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