ファイルストレージ分野で異彩を放つ「VVAULT(ブイボルト)シリーズ」、その魅力を探る

NASやファイルサーバ、クラウドストレージなどのファイルストレージ分野は、多くの製品やサービスが出回っているコモディティな分野だ。そんななかで異彩を放つソリューションがある。ソリトンシステムズのファイルサーバ統合ソリューション「VVAULT(ブイボルト)シリーズ」だ。本ソリューションは、他のファイルストレージとどのように違うのかを紹介する。

Windowsにマウント可能なストレージの全てを仮想的に統合管理

 ソリトンシステムズの「VVAULTシリーズ」は、ストレージ仮想化ソフトウェア「VVAULT」を中心としたソリューションで、他にオプションのファイルサーバログ管理ソフトウェア「VVAULT AUDIT」と、両ソフトをハードウェアに組み込んだオールインワンアプライアンス「VVAULT BOX」をラインアップしている。

 まずは、核となるVVAULTの特徴から紹介しよう。本ソフトはWindows上で動作するもので、Windowsにマウント可能な全てのディスクやストレージを仮想的に統合してストレージプールを構成。その容量をユーザーやユーザーグループに対し提供する。ストレージプールに組み込めるのは、VVAULTが稼働するサーバに内蔵されたSSD/HDDや外付ディスクはもちろん、外部NASやクラウドストレージまで、その種類は問わない。

 ストレージプールに統合できるストレージの数や容量にも制限がなく、サーバ筐体内にディスクを増設する余裕がなくなっても外部ストレージによる増設が可能だ。一般的なNASでは機種ごとに容量の限界があり、不足すれば新たなNASを買い足さねばならずNASの乱立を招きがちだが、VVAULTなら追加したストレージ容量がそのままプールに加わるだけなので、管理者もユーザーも混乱しにくい。現場が勝手にNASやファイルサーバを導入しなければならない場面も減るため、IT部門の管理が行き届きやすくなる。

 プールに統合するといっても、もちろんVVAULT内部では各ストレージを個別に管理している。格納されたファイルの利用頻度も個別に把握しており、それに基づき各ストレージの特性に合わせ自動的に再配置を行う自動ティアリング(階層化)機能が働くため、全体のコストを抑えつつ、容量と快適さを両立することが可能だ。

 プールに組み込んだストレージや、VVAULTが稼働するサーバの交換といったメンテナンスも、容易に行えるよう設計されている。これにより、ハードウェアの制約を意識することなく運用し続けることが可能だ。2種類のマイグレーション機能により、既存のNASやファイルサーバにあるデータをスムースに移行できるので、最初にVVAULTを導入する際にも不安は少ない。

「常時バックアップ」が消滅の危機からファイルを救う

 データ保護機能が充実している点もVVAULTの大きな特徴だ。

 ファイルサーバのデータ保護といえば、定期的にバックアップやスナップショットを行うのが一般的な方法だが、最新のバックアップ以降に追加/修正されたファイルを完全には保護できない点が課題だった。これに対しVVAULTでは、継続的データ保護(Continuous Data Protection)を行い、データが失われるタイミングを極限まで小さくしている。具体的には、VVAULTの配下に、ユーザーへ提供する領域(マスタードライブ)と、ユーザーから見えないバックアップ用の領域(バックアップドライブ)を持ち、「VVAULT ライブ・テクノロジー(VLT)」と呼ばれるテクノロジーで常に最新のデータを複製している。

図:VVAULT ライブ・テクノロジー(VLT) 図:VVAULT ライブ・テクノロジー(VLT)
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 VLTでは、変更が加えられたファイルの差分をバックアップする形となっており、バックアップへの転送量が小さく抑えられ、VVALTサーバの負荷も小さい。差分が発生した時刻も合わせて世代管理しているので、時間軸をさかのぼって任意の時点のファイルやフォルダを復元できる「タイムマシン機能」も実現している。最新版とは別の場所に書き出すこともできるなど、柔軟な復元も可能。この機能は主に管理者向けのものだが、「VVAULT TMS」ライセンスの追加でエンドユーザーが利用することもできる。

ランサムウェア対策にも役立つ「VVAULT AUDIT」

 VVAULTのアクセスを監視し、ログを管理するのがVVAULT AUDITだ。本製品は、セキュリティ分野のノウハウが豊富なソリトンシステムズならではの、使い勝手に優れたツールとなっている。

 中でも便利なのが、リアルタイム監視機能だ(Enterpriseライセンスで使用可能)。管理者が定義したルールに基づいてVVAULTへのアクセスを監視し、即座にメールで通知してくれる。例えば、業務の都合で一律にアクセス禁止や書き込み禁止はできないようなファイルやフォルダに本機能を適用しておき、もし消去したり必要以上の改変が行われたりした場合にはVVAULTのタイムマシン機能で復旧する、といった使い方が可能だ。

 VVAULT AUDITの監視とVVAULTのタイムマシン機能は、社員の「うっかり」や不正だけにとどまらず、ランサムウェアなどによる不正な消去や改変にも有効だ。ランサムウェアは、短時間で膨大な数のファイルにアクセスするなど、通常のユーザー操作では有り得ないようなパターンがある。そうした条件をVVAULT AUDITが検知、管理者に通知すると同時に感染PCからのアクセスを遮断するという仕組みだ。攻撃が開始されてから検知するまでには若干のタイムラグがあるが、タイムマシン機能により消去や改変が行われたファイルも復旧することができ、実害をほぼゼロにできる。

小規模事業所に適したユニークなアプライアンス「VVAULT BOX」

 単なる「ファイル置き場」に留まらない、多彩な機能を持つVVAULTシリーズ。そのアプライアンス製品が、VVAULT BOXだ。Windows Storage ServerベースのNASアプライアンスにVVAULTとVVAULT AUDITを組み込み、5年間のハードウェア保守とソフトウェアライセンスをセットにした商品で、2019年1月に販売開始となった。

図:VVAULT BOXの基本構成 図:VVAULT BOXの基本構成
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 このVVAULT BOXは、アプライアンスでないVVAULTのファイルサーバと組み合わせることも可能だ。例えば、各地に小規模拠点を持つ大企業などでは、データセンターにVVAULTの大規模ファイルサーバを構築し、そのフォルダを各拠点のVVAULT BOXに共有、拠点データのバックアップドライブとして利用するといった形態が考えられる。各拠点のユーザーは、ごく普通のNASのようにローカルのVVAULT BOXにデータを保存するだけで、そのバックアップはリアルタイムにデータセンターにも転送されており、もし拠点が広域災害などに遭ってもデータを失わずに済むというわけだ。

 災害対策だけを考えれば、データセンターのファイルサーバをそのまま共有したり、クラウドストレージを使っても実現できるだろう、しかしそれではWAN回線がダウンすれば業務が停止してしまうし、レイテンシが大きくなりがちで日々の業務に悪影響をもたらす可能性がある。また、クラウドストレージではデータの所在などの問題で、コンプライアンス要件に抵触することもある。それに対しVVAULT BOXを含むVVAULTシリーズなら、ローカルでの使い勝手、災害時も含むデータ保護機能、そしてトータルコストまで、バランス良くニーズを満たすことが可能だ。

これからのストレージは、単なる「データの置き場所」ではない
製品担当者が語るVVAULTシリーズ

ソリトンシステムズ
ITセキュリティ事業部 プロダクト部
木下智雄氏
ソリトンシステムズ
ITセキュリティ事業部 プロダクト部
木下智雄氏

 ストレージはこれまで、容量や費用など単純な要件で選ぶだけのものでした。しかしVVAULTは単なるデータの置き場所ではありません。これまではハイエンドストレージや一部のクラウドストレージでなければ提供されなかったような優れた機能を、比較的安価な費用で利用できるようにしたのがVVAULTです。ハイエンドストレージを使っていた企業が、コスト削減を図る際の移行先として、または大容量を必要としつつも予算的な制約があるような企業などにおすすめです。

 VVAULTシリーズは、製造業や建設業など様々な企業、さらには公立学校や教育委員会などで幅広い実績があります。本部と複数の拠点を持つ組織で、CADデータ、動画や画像、電子教材といった、大容量データを扱う機会が多い業種です。アクセス性を考えると各拠点のローカルにNASを配置した方が有利ですが、ローカルNASだけでは事業継続などの面で課題があります。また、中小企業向けNASの多くは機能が限られるため、セキュリティやデータ保護などの懸念があります。そうした課題や懸念を払拭するため、VVAULTの機能が活用されています。

 また、システムインテグレーターの方々にも高く評価いただいています。特にVVAULT BOXは、拠点向け事業において強い武器になっており、データセンターでのサービスと組み合わせた提案が好評です。近年、広域災害が各地で発生しており、中小企業でも事業継続は重要な課題です。VVAULTの優れたデータ保護、遠隔バックアップ機能が、全国の中小企業の支えになればと考えています。

提供:株式会社ソリトンシステムズ
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2019年11月30日
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