vFORUM 2018 TOKYO
サイロ化しているネットワークの構築・運用・管理の負荷が課題
「ハイブリッドクラウド」の構築を容易にする「VMware NSX Data Center」とは

2018年11月13日から11月14日にかけて、VMware(ヴイエムウェア)が主催する年次カンファレンス「vFORUM 2018 TOKYO」(以下、vFORUM)が開催された。vFORUMのテーマは「POSSIBLE BEGINS WITH YOU —未来はあなたが切り拓く—」。参加者は1万名を超え、基調講演では「VMware Cloud on AWS」の東京リージョンでのサービス提供開始なども発表され、IT業界でも話題になった。今回は、その中から「VMware NSX Data Center」のお客様事例セッションについて紹介する。

サーバ同様、迅速にネットワークも構築可能に

 地域の災害拠点病院でもある「地方独立行政法人総合病院国保旭中央病院」(以下、旭中央病院)も、NSXを導入している。

 「これまで電子カルテやネットワークなどを分離調達してきましたが、一体設計とすることでこれまで以上にメリットのある基盤を構築できるのではないかと考えたんです」と旭中央病院 企画情報局 医療情報室の金谷暢秀氏。

旭中央病院 企画情報局 医療情報室 金谷暢秀氏
旭中央病院 企画情報局 医療情報室
金谷暢秀氏

 システムを導入する際、サーバとソフトウェアを一式で導入するケースは少なくない。このような場合、ハードウェアの保守切れなどでシステム全体のリプレイスが必要になり、まだまだ使えるソフトウェアも新しいソフトウェアに切り替えざるを得なくなる。旭中央病院は、「この工数やコストは無駄が多い」(金谷氏)と考えたのだ。

 また、ネットワークにも課題があった。ネットワークの追加や構成を変更する場合、機器の調達や電源/LANなどの施工工事が必要となる。そのため、現場のニーズに迅速に対応することが困難だったのだ。

 「新しい基盤の構築の目標は、情報ネットワークの可用性とセキュリティを高めること。仮想化技術を取り入れたネットワークを可視化し、運用性を向上しようと考えたのです。しかし、個別の開発などはできる限りなくしたい。そこでヴイエムウェアのソリューション群に着目し、導入することにしました」と金谷氏は話す。

 旭中央病院では、各システムを仮想化することでハードウェアとソフトウェアを分離。ソフトウェアの更新についても、必要な時期にのみ行えるようになった。また、同時にネットワークも仮想化したため、仮想基盤のリソースがある限り、迅速に必要なネットワークの追加や構成変更ができるようになった。

 「これまでのように予算に計上する必要なく、非常に柔軟なインフラを運用できています」(金谷氏)

 旭中央病院は、ヴイエムウェアのソリューション群を使うことで、現場のニーズに応じて迅速にITリソースを用意できるようになったという。

 「セキュリティについてもNSXで解決しました。現在は、サーバごとにファイアウォールを設置しています。ファイアウォールの設定は、ルールを作成し適用するだけなので工数もかかりません。また、OSに依存しやすいウイルスチェックはハイパーバイザー層で実行しているため、各サーバのウイルス対策も統一できました」と金谷氏は成果を語る。

 将来的には、電子カルテクライアントに関しても仮想化技術を利用し、セキュリティを強化していきたいとのことだ。

大規模なSDDC構築を目指し、ネットワークをデザイン

株式会社コミュニティネットワークセンター 取締役 技術 本部長 石倉雅巳氏
株式会社コミュニティネットワークセンター 取締役 技術本部長 石倉雅巳氏

 大規模なSDDCを構築し、運用の簡素化を目指しているのが、愛知・岐阜・三重のケーブルテレビMSO(Multiple Systems Operator)を行っている株式会社コミュニティネットワークセンター(CNCI)だ。

 「CNCIグループは“放送”だけでなく“通信”サービスも提供しています。現在、50万を超えるお客様にインターネット接続サービスを提供しています」と語るのは株式会社コミュニティネットワークセンター 取締役技術 本部長の石倉雅巳氏。

 CNCIグループは、複数の拠点が直径35kmのエリアに分散している。つまり、複数の拠点が超高速ネットワークで繋がったマルチデータセンター環境となっているのだ。

技術本部 サーバグループ リーダー  ニコライ ボヤジエフ氏
株式会社コミュニティネットワークセンター 技術本部 サーバグループ リーダー
ニコライ ボヤジエフ氏

 「当社の場合、サーバやネットワーク、ストレージなどは数人で構築・管理・運用しています。インターネットサービスプロバイダとして重大事故を引き起こさないためには、安定していることはもちろん、管理・運用性の高いソリューションが必要なのです」と、技術本部 サーバグループ リーダーのニコライ ボヤジエフ氏は語る。

 これまで同社は、ヴイエムウェアの各種ソリューションを使い、サーバやストレージの仮想化を行ってきた。それらは効果を発揮しており、システムの可用性・柔軟性を高めつつ、運用工数の低減に繋がっている。

 そこで、ネットワークについてもNSXを使って仮想化しようと検討を開始した。

 「マルチデータセンター環境で使う際、自動フェールオーバーが必要になります。また、セキュリティや一元管理、マルチテナントへの対応などを考えるとNSXの導入が必要だと考えました」(ボヤジエフ氏)

 NSXは、同じネットワークを論理的に分割することで高いセキュリティを確保する「マイクロセグメンテーション」に対応。それにより、物理ファイアウォールでは困難な同じネットワーク内部であっても、セキュリティを向上することが可能だ。

 仮想ネットワークの可視化については、「vRealize Network Insight」によって解決できる。運用工数の削減も期待できそうだ。

 さらに、NSXはVMwareの既存製品で構築されたシステムとの親和性が高く、実績も多い。この点も、同社にとっては大きなメリットだった。

 「NSXを使ったネットワークについては、プロフェッショナルサービスを使ってデザインをしています。今はまだ準備段階ですが、本格稼働できる日を楽しみにしています」(石倉氏)

 このように、NSXは多くの企業のITインフラを支えている柔軟で革新的なITプラットフォームといえよう。NSXの導入を検討している企業は、これらお客様事例などを参考にするといいだろう。

提供:ヴイエムウェア株式会社
[PR]企画・制作 朝日インタラクティブ株式会社 営業部  掲載内容有効期限:2019年3月31日
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