急激にテレワークが浸透する中で、抜け穴となっているのがセキュリティだ。テレワークではクラウドを多用したネットワークを利用しての業務が主となるため、クラウド環境下でのセキュリティの担保が重要になってくる。クラウドセキュリティ サービスを展開しているゼットスケーラーの髙岡 隆佳氏と同社のサービスを利用している朝日新聞の上野 賢一氏、佐藤 肇氏とZDNet Japan編集長の國谷 武史が語る。
クラウドによるセキュリティで、企業のネットワーク全体の安全を確保
國谷クラウドセキュリティの必要性についての認識が日本でも高まっています。その背景には働き方改革や新型コロナ感染拡大に伴うテレワークの拡大と、グローバリゼーションによる多拠点化と多様化で、セキュリティの確保が大きな課題になっていることがあります。まずクラウドセキュリティについて簡単にお話し下さい。
ゼットスケーラー株式会社
エバンジェリスト&アーキテクト
高岡 隆佳氏
髙岡ここで言うクラウドセキュリティは、クラウド上のセキュリティプラットフォームによるセキュリティ対策のことで、場所に依存せず、必要なセキュリティを施します。安全なローカルブレークアウトで、企業の境界線をオンプレではなく、クラウド上に面的に設けるというイメージです。
國谷今まで企業ネットワークのセキュリティは境界防衛型で、ゲートウェイを置いて、通信するというものでした。そこから張り出す部分のセキュリティについて、抜本的な対策をなかなか講じることができませんでした。それがクラウドセキュリティで可能になったわけですね。
髙岡2010年頃からゼロトラスト・ネットワークが定義されクラウドセキュリティにおいても重要な要素となっています。バズワードになっている面がありますが、様々なゼロトラストシナリオの共通点は、ネットワークとセキュリティをクラウドに持ってくることで、攻撃面を大きく削減し、リスクのリアルタイム対応もできるので、クラウドも含めて安全に利用できるようになるというものです。
朝日インタラクティブ株式会社
ZDNet Japan 編集長
國谷 武史
國谷企業が導入する際の展開の仕方はどうでしょうか。
髙岡新型コロナの感染拡大前と今とではかなり状況が変わってきています。感染拡大後、ゼットスケーラーでは、多くの相談を受けていますが、リモートワークせざるを得ない中で、企業ネットワークへのアクセスはVPN経由です。ところが、VPNは営業など必要な人用だけだったので、キャパシティが圧倒的に足りません。加えてクラウドもオンプレ以外からはアクセスできないように制限をかけています。その結果、自宅からアクセスしたいのに、VPN経由でないとできない。今までのインフラが阻害して、生産性が上がらないのです。
インターネットとクラウドの通信はクラウドセキュリティにオフロード
國谷生産性を向上させるにはどうすれば、よいのでしょうか。