僕はこうしてうつになった--心の病と戦う技術者たち(1)

藤本京子(編集部) 2007年10月24日 18時00分

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 社会人にストレスはつきものだ。中でも、「きつい」「厳しい」「帰れない」の3K職場とも言われるIT業界の技術者たちは、過度のストレスを抱えているに違いない。

 多くの人は、ストレスコントロールの方法を自然と見出し、気分転換しながら日々業務を続けている。しかし、中にはどうしてもストレス解消の機会がないまま負のエネルギーが積み重なることや、さまざまな原因から体調、そして心の調子を崩してしまう者もいる。

 心の病は、誰もがかかり得る病気だ。長期的な治療が必要な場合もあるため、何らかの対策を考える企業も多くなった。この特集では、体験談や専門家の意見を元に、心の病について考えてみたい。

23歳にして5社を渡り歩く

 静岡県出身の荒木さん(仮名)は23歳。高校入学後から吐き気や下痢などに悩まされる日々を過ごしていたが、内科に通っても異常はなく、大学進学を機に上京した。

 荒木さんが最初にうつ病と診断されたのは2004年夏のことだ。当時荒木さんは、大学のプロジェクトで毎日夜を明かして開発に取り組んでいた。厳しい環境の中、開発が思うように進まず、周りから責められることもあった。

 精神的に追いつめられたと感じた荒木さんは、落ち込んだ気分から抜け出せないのみならず、食欲不振や激しい下痢、不眠に陥った。過去にもこうした体験はあったというが、「症状がこれまで以上にひどかったので、心療内科に行った。そこでうつ病と診断された」と、荒木さんは当時を振り返る。

 その後、投薬とカウンセリングを続けつつ、2005年よりIT企業でのインターンシップや契約社員として開発の仕事に取り組んでいた荒木さん。契約切れのケースもあるが、長くても約半年で職を転々とし、23歳という若さにもかかわらず5社での仕事経験を持つ。しかし、「やはり仕事上追い込まれたり、対人トラブルが起こったりするとうつ状態になる」と荒木さんは言う。

 その後も荒木さんの病状が改善するきざしはなく、2007年4月に契約社員として入社した企業は2カ月で解雇されてしまう。現在では抗うつ剤などを成人投与量の限度に近いほど多く飲みつつ、在宅での仕事を続けているという。

完治しないまま前に進み、退社へ

 同じく23歳の原田さん(仮名)は北海道出身だ。うつ状態と躁状態が繰り返し巡ってくる「双極性障害」に悩まされている。

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