Sonyの評価はいかに
Rogowski氏が2005年に日本のサイトを調査した際は、ソニーのサイトの評価が非常に低かった。今回、米Sonyのサイトを調査した同氏にSonyの評価を聞くと、米サイトもブランドアクション、ブランドイメージ共に合格点に達しなかったとのことだ。
Sonyのサイトの課題についてRogowski氏は、「ユーザー体験の悪さが一番の問題だ。Sonyのブランドとサイトのコンテンツに一貫性がないことはもちろん、どこにどういった製品があるのか、非常に見つけにくくなっている。また、高機能で高価なテレビについて情報を得たいと思っても、なぜこのテレビが高価なのか、他のテレビとどう違うのかといった情報もなく、高価な買い物に結びつくような説得力がない。さらに、ある製品モデルについては情報が抱負で、他のモデルの情報は乏しいといったことなど、小さなエラーが数多い」と指摘する。
また、前回の調査でもRogowski氏が指摘していたことだが、「家電メーカーのサイトは、メーカーが商品情報を提供するサイトとショッピングサイトが別々に存在し、それぞれインターフェースなどが全く違う」と話す。「例えばSonyの商品サイトからショッピングサイトのSony Styleに行くと、ナビゲーションスタイルがこれまでと全く違っている。Sonyのサイトには存在していたフレームも消え、どこから何を探せばいいのかわからなくなっている。商品の分類方法まで違っている」とRogowski氏。こうしたことから、ブランドアクションテストでは、調査した家電メーカーの中でSonyの点数は最低点だったという。
全体的に評価の低かった家電メーカーだが、その中で比較的いい評価を得たのはPanasonicだ。特にRogowski氏が高く評価したのは、Panasonicの提供する「Plasma Central」という情報ページだ。ここでは、「プラズマテレビの詳細がわかるようになっている。また、自分の部屋の写真をアップロードし、そこにプラズマテレビをバーチャルに置くことができ、実際にプラズマテレビを置いた部屋がイメージしやすくなっている」とRogowski氏は説明する。「これこそまさに『Ideas for Life』だ」(Rogowski氏)
最後に、Rogowski氏にサイトのブランド力強化に向けたアドバイスを聞くと、「ユーザーゴールにフォーカスすることだ」と答えた。「製品について何を言おうが、ユーザーがその説明を見つけられなかったり理解できなかったりすれば購入に結びつかない」とRogowski氏。また、同時に「感情に訴えかける面も無視してはいけない」と話す。
「ユーザー体験を考えてサイト作りをした上で、ブランドの位置付けとサイトに一貫性があるかどうか、チェックするのがいいだろう。すべての要素を満たすのは難しいかもしれないが、コンテンツがユーザーゴールを満たしているかどうか、企業として発信しているブランドの特性がちゃんとサイトに反映されているかどうかなど、必ずチェックすべきだ」(Rogowski氏)