良い車を作るホンダが必ずしも良いウェブサイトを作れるわけではない--フォレスター調査より

山下竜大(編集部)

2007-07-10 12:00

 米調査会社のForrester Researchでは、2007年6月に企業のウェブサイトにおける利用者向けの価値や使いやすさ、信頼性などを評価した調査レポート「Best And Worst Of Japanese Site Design 2007」を発表した。このレポートでは、自動車、銀行、家電分野における大手12社のウェブサイトを対象に調査が行われている。

 今回の調査を行ったシニアアナリストのJonathan Browne氏は、「ウェブサイトが成功しているのか、失敗しているのかを評価する場合には、ユーザーが目指す“ゴール”をサポートしているかどうかを評価すればいい。ユーザーのゴールをサポートできないウェブサイトは失敗する」と話す。

 ユーザーのゴールをサポートしているかどうかを評価するためにForrester Researchでは、次の3つの条件を定義している。

  • ユーザーは誰なのか
  • ユーザーが目指しているゴールとは
  • ウェブサイトはいかにユーザーをゴールに導くか

 多くの企業ではウェブサイトを構築する場合に、サイト分析やラボによるユーザービリティテストなどにより、サイトの使い勝手を独自に評価している。しかし、それでも「ユーザーが目的とする情報までたどり着けないウェブサイトは多い」とBrowne氏は言う。

 「企業は、ユーザーをいかにウェブサイト上のゴールに導くかを常に考えておく必要があるが、毎回ユーザービリティテストで検証することは難しい。そこで、我々が提供する方法論が有効になる」とBrowne氏。

 今回、Forrester Researchが使用した方法論は、25種類の調査項目で構成されている。25種類の調査項目は、「価値(Value)」「ナビゲーション」「プレゼンテーション」「信頼性(Trust)」の大きく4つの分野に分類されている。

 そのウェブサイトはユーザーにとって「価値」があるのか、価値を得るための「ナビゲーション」は効果的なのか、「プレゼンテーション」において分かりやすい言葉を使っているか、セキュリティポリシーに基づいた「信頼性」を確保しているかなどが25項目で評価される。

 ひとつの調査項目に対し-2ポイント〜2ポイントで採点。調査項目に対し、合格は1ポイント、失格は-1ポイント。ベストプラクティスを実現していれば2ポイント、同じミスが数多くある場合には-2ポイントで評価。最小で-50ポイント、最高で50ポイントがウェブサイトの得点となる。

 同社では1999年より、この方法論による企業のウェブサイト評価を行っている。方法論は時代に合わせて見直されており、現在では第6版となっている。

 「1999年11月から2007年4月までの期間に世界各国1001社のウェブサイトを評価してきたが、その平均は0.9ポイント。合格点である25ポイント以上に評価された企業は35社しかない。ちなみに、-50ポイントおよび50ポイントに評価された企業もない」(Browne氏)

 今回、日本企業のウェブサイト調査では、自動車、銀行、家電の3分野で4社ずつ、日産自動車、トヨタ自動車、本田技研工業、マツダ、三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、ソニー、パナソニック、東芝、シャープの12社を調査対象とした。それぞれの分野では、3種類のユーザーが、いかに目的とするゴールにたどり着けるかが調査された。

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