ジュピターテレコムのCRM活用:サポート品質向上に加え契約拡大にも貢献 - (page 2)

日高彰

2009-09-11 19:22

 急増するユーザーからの問い合わせに対応すべく、地域事業者を傘下に収めるのに並行して全国にコールセンターを次々と開設していったが、各拠点の統一的な運用のための取り組みは後回しとなった。地域事業者の既存コールセンターを継続利用することもあり、交換機や着呼分配装置などのシステムは拠点間で統一されていなかった。

 このため、特定のセンターに電話が集中した場合、余裕のある他の拠点に自動転送するといった処理が行えず、地域間でサービスレベルに開きが生じ、リソース運用の観点からも非効率的だった。また、各拠点のシステムから上げられる各種レポートの形式もバラバラで、全国のコールセンターの状況をタイムリーに把握することが難しかった。

M&Aで急拡大したため、拠点ごとにシステムがバラバラだった(画像をクリックすると拡大します) M&Aで急拡大したため、拠点ごとにシステムがバラバラだった(画像をクリックすると拡大します)

複数拠点のシステムを統一、仮想的な1つの大コールセンターに

 この「拠点だけは作ったが、運営がうまく伴っていない」(上村氏)状況が問題となり、システムの刷新に着手、2007年6月までに全国9拠点のシステムを統一した。

 複数拠点のリソースを統合的に運用し、仮想的な1つの大コールセンターとして管理することが可能となり、J:COMユーザーは地域や契約サービス内容を問わず全国統一番号に電話をかけるだけでサポートを受けられるようになっている。

 入電に対して応答できた回数を示す応答率は、以前は60%台に落ち込む月もあったが、システム統合後はコールセンターの合格点とされる85%以上をおおむね維持。レポートが統一されたことで入電予測の精度も上がり、より効率的なリソース運用が可能になったことで、顧客1人あたりのサポートコストを毎年削減することに成功している。

応答率のアップと1加入者あたりのサポート費用削減に成功(画像をクリックすると拡大します) 応答率のアップと1加入者あたりのサポート費用削減に成功(画像をクリックすると拡大します)

 そして、CRMソリューションの活用をサポート品質向上だけでなく、契約数の拡大という直接の収益拡大にもつなげているのが同社の特徴だ。

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