Heppelmann氏は「こうしたソフトウェアを搭載し、常時ネットワークに接続されているスマートプロダクトの台頭は、製造業としても新ビジネスを生み出す力になる」と語る。
「今やソフトウェアは、製品に付加価値を提供するための重要なファクターとなっている。さらにネットワークを通じて収集された情報は、次の製品/サービスに活用していくことが可能。収集された膨大なビッグデータをいかに活用できるかが重要なポイントだ」(Heppelmann氏)
「パーソナライゼーション」では義足の設計、開発を紹介。個人のニーズに合わせたカスタマイズの必要性を説いた
Product as a Serviceが提供する+αの付加価値
製品のサービス化は、顧客に「製品を提供する」から、「製品が生み出す付加価値をサービスとして提供する」といったビジネスモデルの変化を指す。
例えば、業務用空調システムやエレベーターといった製品は、顧客に「空調の効いた空間」や「昇降する空間」をサービスとして提供し、利用状況に応じて課金するといったビジネスモデルになる。
その結果、ユーザーは利用コストを削減できるだけでなく、故障修理といったリスクを負う必要もない。一方、サービス提供者側は、製品に組み込まれたソフトウェアから利用データを収集し、次の製品の製造ライフサイクルに組み込めるというわけだ。「製品をサービス化することで、結果的に顧客との長期的な関係が構築でき、次のビジネスに発展させることもできる」と、そのメリットを指摘する。
最後にHeppelmann氏は、「7つの外的要因は、製造業の変革を促す力にもなり得る。PTCは、製品を定義するCADモデルからビジネスをスタートさせ、製造業のデジタル化を推進してきた。製品を定義する情報やデータがなければ、新たなビジネスを立ち上げることはできない。今後もわれわれは、製造業の変革を強力にサポートしていく」と語り、キーノートスピーチを締めくくった。
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