「第3の産業革命」がやって来た--PTCのヘプルマンCEO

怒賀新也 (編集部) 2012年06月05日 12時23分

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 PLM大手の米PTCが開催している「PlanetPTC Live」の2日目、キーノートを米PTCのジム・ヘプルマン社長兼CEOが務めた。(Economist誌が名づけた)「第3の産業革命」として、製造業の競争力を分けるものがグローバル生産体制であるとし、自社のソフトウェアがそれを実現できると強調した。また、ユーザーとして米家電メーカー大手のWhirlpool(ワールプール)が自社のPLM導入とグローバル生産体制構築の取り組みを披露した。

 「数十年間にわたり、グローバル生産体制を改善すべく、企業はテクノロジーと業務プロセスに巨額の投資をしてきた」とヘプルマン氏は指摘する。

米PTCのヘプルマンCEO。なお産業革命は18世紀後半英国で始まった繊維工業の機械化。第2の産業革命は20世紀はじめ、ヘンリー・フォードによる流れ作業による組み立てラインが導いた大量生産時代の到来を指すといわれる
米PTCのヘプルマンCEO。なお産業革命は18世紀後半英国で始まった繊維工業の機械化。第2の産業革命は20世紀はじめ、ヘンリー・フォードによる流れ作業による組み立てラインが導いた大量生産時代の到来を指すといわれる

 「そうした投資の効果には限界がある。新たな要素が浮かび上がってきた。エンジニアリングを起点に、サプライチェーン、セールス、サービスネットワークをつなぎ、新たなオペレーションを構築するのだ」(ヘプルマン氏)

 PLMは、各製品の部品を構成するデータベースを持っている。自動車ならば、エンジンやタイヤ、ハンドル、ブレーキなどのパーツに分かれ、さらにエンジンを構成する部品の構成などをブレークダウンして定義し、管理する。全体では無数の部品があり、それぞれに対してサプライヤー情報などがひもづいている。細かいが、製品のコストや品質を左右する重要な情報である。

 このPLMの考え方を部品の調達などの視点だけでなく、これまであまり意識されていなかったセールスやアフターサービスにまで広げ、製品情報の管理を全社的に一元化しようとするのが同氏の考えだ。実現することで、顧客からの信頼が集まりブランド力が向上するため「これからの差別化の新たな方法になる」(同氏)という。

 こうしたオペレーションを実現した企業として、韓国のHyundaiやこの日登壇したWhirlpoolを紹介した。

PLMを中心に、CAD(Computer-Aided Design)、SLM(Service Lifecycle Management)、ALM(Application Lifecycle Management)、SCM(Supply Chain Management)をつなぐ
PLMを中心に、CAD(Computer-Aided Design)、SLM(Service Lifecycle Management)、ALM(Application Lifecycle Management)、SCM(Supply Chain Management)をつなぐ

 Whirlpoolは年間売上高が190億ドルの家電メーカーで、7万人の社員を抱え、世界170カ国以上で冷蔵庫や洗濯機を売っている。家電がお家芸ともいえる日本ではあまりなじみがないが「世界ナンバーワンの家電メーカー」(同社)と自負している。インドや中国に積極的に展開しており、日本でもコインランドリーの大型洗濯機などで見かけることがあるようだ。

 最高情報責任者(CIO)のフレッド・ベリオ氏は「国をまたがって1つのシステムとして構築しようとしている」と話す。システムの構築で実現しようとしているのは「Constellation」で、集団もしくは星座などの意味がある。異なる星々を結びつけ1つの大きな事象をつくりたいという願いを込めている。ここでは製造、サプライチェーン、マーケティング、セールス、サービス、エンジニアリングを結びつけ、全社的なPLMシステムを作り上げるということになる。

星座をイメージしたWhirlpoolの「Constellation」プロジェクト
星座をイメージしたWhirlpoolの「Constellation」プロジェクト

 この仕組みを構築することで、グローバルで共通し規模の利益を追求できるフットプリントを作成できるという。さらに、無駄を省いた生産体制、機能や地域およびサプライチェーンを横断した協業体制、リアルタイムに製品情報を1つのソースで共有できる仕組みが出来上がる。結果として、スピード、コスト、品質を高められるとしている。

 システム構築は2006年に着手した。当初は、支出データの分類などからはじめ、次第にサプライヤー情報の統合、各種マスターデータのまとめ、2012年はBOMの統合を完了させる。2013年以降に、製品部門の統合を予定している。

 だが、状況は必ずしも簡単ではないようだ。これを含め、講演終了後にWhirlpoolのベリオCIOと、グローバル製品組織担当のPMOディレクター、ジェフリー・バーク氏に話を聞いた。

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