これまでにない価値を生み出すIoT
Weiler氏は注目するITのトレンドとして、IoTを挙げた。「2012年に90億のデバイスがネットにつながっており、2020年には500億に達すると言われる。センサから無数のデータを受け取り、次のアクションに生かすIoTで企業経営が大きく変わるだろう」と語った。
「石油会社は、センサデータを把握することで、ドリルポンプに亀裂があることをいち早く発見し、修理できる。それだけで数十億ドルのコストを削減できる」（Weiler氏）
鉄道会社なら「車輪の破損をあらかじめ把握すれば、事故を未然に防げる」とする。コスト削減効果はもちろんだが、人命を守ることにもつながる。これらは、従来は実現が難しかった効果と言える。
無視できないソーシャルの影響力
ソーシャルの影響力の大きさにも触れた。米ユナイテッド航空（UA）は以前、乗客だったある青年のギターを壊してしまったという。同社はこれについて弁償の要求に応じなかった。すると青年は、UAがギターを壊している様子を表す動画を作成してYouTubeにアップした。「ウイルスのように見られ、閲覧数は1300万に上った」（同）という。その後も、毎年数百万の閲覧があり、「UAはこれに対してはもはやどうすることもできない」。
「以前なら弁償しなくてもほとんど何も起きなかった。消費者がパワーを持つ時代になったことを示している」（Weiler氏）
Weiler氏は、ネットとモバイルの台頭、さらに国の政策の影響も受ける形で、あらゆる業種で事業環境が変化していることを強調。それに対応し、差別化するためには、Oracleのソフトウェアやハードウェア、Javaなどの製品ラインアップを紹介しながらITを活用した事業施策を実施する必要があることを強調した。
イベントではさまざまな業種の事例などが紹介された
