「チームーワーク」がうまく作用しないことも
一方、こうした事例に対して、日本企業の足かせになっているのは、日本において企業同士がチームワークで動いている点を指摘する。「おそらく日本企業が力不足というよりは、日本市場では、納入先の企業を中心とした信頼関係による企業間のチームワークが出来上がってしまっている。それで海外に展開するとなると、そのチームごと出ていくというパターンが多い。しかし、日本社会において非常にそれがうまく作用していたとしても、海外では必ずしもそのままうまくいくとは限らない。能力の話ではなく、ある程度の割り切りが必要」と、ここでも発想の転換の必要性を強調する。
「製品群、機能群、製品群の中のスペックという3つの要素を軸に、トータルなサービスを全部やってほしいというのが新興国でのニーズ。より良いビジネスを、期限通りに納入先に収められることを第一条件とし、納入先の企業が自ら導入するのが日本で多いパターンだが、こうした日本のやり方やマインドセットで海外に展開しようとすると、やはりさまざまな意味でのニーズに応えられないことになってしまう」と、東海林氏はグローバルなビジネス展開に対する基本姿勢の在り方を指摘した。
つまり、これまで同様に、強みとして日本基準の高い水準の技術力を維持、追求しながら、ビジネスマインドとしての仕様を海外標準に適応させていくことが、日本企業がグローバル市場で躍進する1つのカギとなりそうだ。