動画の内製化で営業やプロモーションのトレーニングにも
ビジどこアプリに配信するコンテンツは、自社で制作している。制作の取りまとめを行っているのは、法人ビジネス戦略部 営業企画 プロモーション担当の久保秀和氏。DPSで配信するコンテンツと、紙媒体コンテンツの両方を作り分けている。
「作り分けは容易であまりコストをかけずに紙とデジタルの両方のコンテンツを作れます。今は、それぞれの媒体に応じてどのように要素を配置するのがいいか、いろいろ工夫しているところです」と久保氏は言う。
例えば最初は、スマートデバイスの画面を横位置で使い、A4縦の半分を表示するイメージで制作した。4画面で紙媒体のA4見開きに相当する情報量という考え方だ。また、ユーザー事例パンフなどはA5横の印刷物とし、逆にデジタルコンテンツの画面構成に合わせたように作っている。他にも、さまざまな工夫が考えられるという。
法人ビジネス戦略部 営業企画 プロモーション担当の久保秀和氏
「今は、いくつかのパターンを用意しておき、DPSのコンテンツを紙へと容易に流し込んでいけるようにしてあります。法人事業部の顧客の中には、スマートデバイス向けコンテンツ制作、配信のニーズを持つ会社もありますので、こうした制作のノウハウそのものも、ゆくゆくは顧客に提供するサービスにするつもりです」(久保氏)
また、動画についても内製化し、そのために社内のショールームを改装する際にスタジオも設置した。出演者はドコモの社員、主に商材開発者だという。
「内製化することでもちろんコストが下がります。クオリティはさておき、といっても悪くはないと自分では思っています。外注すれば数分の短い映像でも1本数十万円になります。現状では制作に2~3人日ほどの工数で済んでいるので、時間単価を仮に数千円とすると高くても10万円程度で制作できています。スタジオ設置に要した費用は500万円くらいでしたが、すぐに元は取れます」(久保氏)
コストより重要なこと
しかし松木氏は、コストよりも、もっと重要なことがあると語る。それは、「社員たちが自分で考えて説明しようとするようになったこと」。取り上げる商材のどのような面をどのように伝えるのがいいか、動画の構成を考え、シナリオを書き、演出し、撮影、編集する。この一連の作業がプロモーションのトレーニングになっているというのだ。
「制作を外注すると、プロモーションのアイデアも外部に依存することになってしまいます。アイデアも社内で出すようにすることで、あえてハードルを高めるという意味合いもあります」(松木氏)