多くの企業が4月1日を入社式と設定している。入社式の社長訓示は、各社の事業戦略を分かりやすく示す。ここでは、主要企業の訓辞を紹介する。各社とも、グローバルに拠点を持ち、ビジネスの世界展開を見据えているのが共通点だ。
日本アイ・ビー・エム 代表取締役社長 マーティン・イェッター氏
日本アイ・ビー・エム 代表取締役社長 マーティン・イェッター氏
今日、全世界170カ国以上で活躍している約43万人のIBMer(IBM社員)の一員となったみなさんを心から歓迎します。
近年、世界の経済や社会、技術は、これまでになく密接に連携し、世界が1つのグローバルなエコシステムとなってきており、伝統ある企業でも規模の大小にかかわらず、これまで以上にグローバルな競争に直面してきています。
こうした環境の中、お客様に適切なソリューションを提供していくため、私たちは、世界中の人材や経営資源を有効に活用していけるよう、全世界のIBMとコラボレーションしていくことが重要です。
みなさんの多くがスマートフォンやタブレットを日々活用していることでも分かるように、わたしたちは、今、クラウド、アナリティクス、モバイル、ソーシャル、セキュリティといった最先端技術の融合を目の当たりにしています。こうした歴史的な技術転換は、世界を変革していく可能性があり、お客様にも注目されています。
このダイナミックな市場環境の中、当社は、ビッグデータとアナリティクスやクラウドコンピューティングなどのソリューションを重点分野と位置づけています。
今日入社したみなさんには、2つのことをアドバイスしたいと思います。ひとつは、同僚やお客様など自身のネットワークを構築していくこと。2つめは信頼できるメンターを持つことです。また、IBMには全社員が共有している3つの価値観「IBMers Value」があります。
・お客様の成功に貢献する
・私たち、そして世界に価値あるイノベーション
・あらゆる関係における信頼と一人ひとりの責任
こうした基本的な信条を自分なりに理解してIBM社員として体現し、最も必要とされる存在になっていくことが重要です。
IBMは米国での特許取得数が21年連続で首位となるなど、テクノロジをはじめ、IT業界をリードしてきました。また、IBMは、常に未来を俯瞰(ふかん)し、お客様とともに世の中にイノベーションをもたらしてきた長い歴史があります。当社は、みなさんとともに成長し、日本で最も尊敬され、最も必要とされる(Essential)企業になることを目指しています。この目標に全力で向かっていきましょう。