3つの強化ポイントを、9つの分野で具体的な施策として実施
具体的な施策を展開していく9つの分野とは、具体的にはインフラストラクチャ、ネットワーク、クラウド、カスタマーポータルと統合APIゲートウェイ、汎用アプリケーション、クラウドマイグレーション、セキュリティ、マネージドICT、パートナーシップだ。
例えば、ネットワーク分野ではArctar Universal Oneでの「NFVサービス」(Virtelaのサービスを活用)や、異なるネットワークでオーバーレイ通信を行うSDNサービス「Virtualオプション」を提供する。
クラウド分野では、SDNを活用して異なるクラウド/コロケーションを同一ネットワークセグメントで接続する「クラウド/コロケーションハイブリッドサービス」や、クラウドに対するDDoS攻撃への防御を行うサービスを提供する。DDoS攻撃対策では、「通信事業者としての技術とノウハウをいかし、独自開発の検知装置と防御装置を使って、DDoS攻撃が発生しているできるだけ近いところで止める」ことが特徴という。
また、API分野では、12月に統合APIゲートウェイを提供し、NTT Comサービスの機能や情報を使ったシステムなどを容易に構築できるようにする。
さらに「進化したクラウド」の将来像についても、「次世代クラウド基盤のコンセブト」として紹介した。ポイントは、サーバ、ネットワーク、API、統合ポータルの4つ。サーバについては、同社が現在基盤にしているVMwareだけではなく、さまさまハイパーバイザやサーバの形態に対応していく。例えば、マルチテナントではなく、顧客がリソースを専有するタイプのサーバ、ベアメタル(物理)サーバの提供などだ。
また、ネットワークは「いちばんコアになる」分野であり、SDNを活用することで、異なるタイプのサーバ間を自由にセグメント設定したり、ストレージを柔軟に接続したりできるようにするという。
APIについては、今年度進めている統合APIをさらに進め、サーバ、ストレージ、SDNを一体的にコントロールできるようにする。その一方で、専有タイプのサーバで各ベンダーが個別のAPIを提供できるようにする。これにより、システム環境に合わせて、最適なAPIを選択できることを目指すという。
そして、統合ポータルで、次世代クラウド基盤上のサービスに加え、既存クラウド/コロケーション(SDNによる次世代クラウド基盤との接続)や、他社クラウドも含めて管理できるようにすることを目指す。
有馬氏は「まずは、複数タイプのサーバを1つのクラウドサービスとして柔軟に利用できるサービスを提供する。年内に技術検証を済ませ、2015年下期をめどに提供できるようにしたい」と述べ、これからもクラウドを進化させていくことを強調した。