トップインタビュー

「生まれたときから時代遅れ」という強い危機感があった--NTTコミュニケーションズ 有馬社長

聞き手:冨田秀継 文・構成:齋藤公二 撮影:中原希実子

2012-11-29 20:57


 NTTコミュニケーションズが設立されたのは1999年——インターネットが広く普及し始めた頃、長距離電話会社として営業を始めたのが同社だ。

 コミュニケーションのあり方を大きく変え、社会インフラとして確固とした地位を築いた「電話」。そして、電話回線に乗りながら通信ビジネスを変革しようとする「インターネット」。

 NTTコミュニケーションズ代表取締役社長の有馬彰氏は、「生まれたときから時代遅れで、生まれたときから事業構造の変革が求められるという強い危機感がありました」と振り返る。

 各界のエグゼクティブに価値創造のヒントを聞く連載「ZDNet Japan トップインタビュー」。今回はNTTコミュニケーションズの有馬社長に話を聞いた。クラウドのニーズと不安、自社の組織改革、さらには「OpenStack」などのオープンソースソフトウェアの活用まで、幅広い質問に答えた。

企業の海外展開に合わせ事業体制をグローバル化

--「グローバルクラウドビジョン」を掲げ、サービスのグローバル化、クラウド化を推進しています。手応えはいかがですか

 まだまだこれからです。昨年、大規模な組織変更を行って、グローバルな事業体制を敷きました。システムについても、お客様が国内外でシームレスに利用するための仕組みを提供し始めたところです。

--体制はどのように変えたのでしょうか

 従来は、国内事業部と海外事業部という大きく2つに分かれた組織でした。国内と海外をまたいでプロジェクトを行う時は、両事業部をつなぐというやり方です。ただ、こうした体制ですと、海外展開するお客様からシステムをグローバルでシームレスにしてほしいと要望されたときに、すぐに対応できません。

 そこで、海外事業部をなくし、主要なサービスごとに国内外の事業を一緒に行う体制にしました。エリアごとの事業部をサービスごとの事業部に変えたわけです。

--製造業をはじめとして、海外移転・展開はとても進んでいますね

 ええ。「売上の3分の1は海外拠点」というお客様が多くなっています。そうしたお客様がグローバルシステムを求める声は年々高まっていて、システム全体を当社にまかせてもらうケースが増えています。

 おかげさまで、データセンターの規模で言えば、中国、香港、APACに31施設があり、アジアNo.1の規模になっています。

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