AIのよる雇用への置き替えについても話題となった年となった。ジャストシステムは8月23日、「職業別の仕事と人工知能に関する実態調査」の結果を発表した。
自分の仕事がAIに置きかわるかどうかの問いに対しては、「将来的にすべてが人工知能やAIに置き換わると思う」と答えた人が最も多かった職種は、「販売・接客」で14.6%、2位は「企画・マーケティング(14.3%)」。一方、「将来的に一部のみ人工知能やAIに置き換わると思う」と答えた人が最も多かった職種は、「医師・看護師」の45.8%、続いて「金融関連業務(41.2%)」である。
医療分野においては、AIによるセカンドオピニオンを受けるケースが増えていくという予測もあり、AI活用による雇用の代替や補完が進んでいくことも予想される。
人口減少と超高齢社会で労働力不足による産業の停滞が懸念されており、AIなどを活用した労働の流動性を前提とした雇用の代替やタスク量に応じた分業等による労働生産性の向上や、女性や高齢者の就労環境の改善につなげることが重要になっている。
一部では、ロボットの本格的導入が進んだ年にもなった。アマゾンジャパンは12月6日、同社の物流センターの1つ「Amazon川崎FC」に導入した商品棚を運ぶ可動式商品棚「Amazon Robotics」を報道陣に公開した。これにより、作業員が商品棚に向かうことなく、作業員が商品を詰める作業の場所に、ロボットが商品を運んでくれるため、大幅な作業効率の向上と配送スピードの強化につながっているという。
ドローンでもさまざまな取り組みがはじまった。国家戦略特別区域に指定された千葉市では、高層マンションの立ち並ぶ千葉市美浜区の幕張新都心に、ドローンによる宅配の実証実験を行っており、2019年ごろの実用化に向けた検討を進めている。
インフラ点検では、国家戦略特別区域では、ドローンによる橋の点検を実施し、災害では、多くの自治体が民間企業と連携し、災害発生時においての情報収集などにおいてドローンを活用する取り組みが進んでいる。熊本地震でもドローンが阿蘇大橋の決壊などを撮影したように、災害での活用は進んでいくとみられる。
ドローンにおいては、プライバシーの問題や落下事故などのリスクなど、さまざまな課題も山積している。その一方で、利用の範囲は広く、政府や自治体が率先して活用するとともに、安全な利用に向けた法整備や規制緩和を図ることで、生産性の向上や新しい産業創出に寄与できるようになるだろう。