海外コメンタリー

DevOpsがIT部門に与える10の変化 - (page 2)

Conner Forrest (ZDNET.com) 翻訳校正: 石橋啓一郎

2017-04-07 06:30

4.自動化の改善

 DevOpsを導入しようとする企業は、自動化に大きく依存することになる。このことは、前述の製品化までに要する時間の短縮に効果があるだけでなく、従業員を煩雑な作業から解放し、頭を使う必要のあるプロセスに集中できるようにする。Gartnerの調査ディレクターGeorge Spafford氏は、自動化は「極めて重要」だが、「達成しようとしていることの文脈に沿っている」必要があると述べている。

 DevOpsでは明確に定義されたワークフローを持つことが重要だが、自動化によって、これをさらに強化できるとSpafford氏は言う。同氏はさらに、自動化によってセキュリティやコンプライアンスの要件を組み込むことも容易になり、ヒューマンエラーが起きる危険を減らすことにつながる、と付け加えた。

5.スキルセットの拡大

 一部のサイロを撤廃したり、開発部門と運用部門を協調させようとすると、相互交流が生まれ、従業員が新たなスキルを獲得したり、ほかの部門で行われている日常業務に対する理解を深めたりすることになるだろう。

 「IT部門のスタッフは、開発部門のスタッフが持っているスキルセットの多くを習得できる。これには例えば、手動での設定手順を『Infrastructure as Code』の手法に転換することや、耐障害性と規模拡張性が高いインフラを実現するために、可能な限り自動化を行うことなどが含まれる」とCondo氏は述べている。

6.無駄の排除

 リーン開発と素早いイテレーションを実施することで、企業はリソースを効率的に活用できるようになり、これによって無駄が排除されることも多い。Spafford氏によれば、「DevOpsとはコストを減らすためのものではなく、価値を生み出し、無駄を減らすためのものだ」という。

 同氏は一部のマネージャーがコスト削減ばかり考えていることを憂慮しているが、一部の分野では、DevOpsは経費削減にもつながると認めている。Cars.comのソフトウェア開発ディレクターDarrell Pratt氏は、同社でDevOpsを導入したことで、運用グループを縮小し、責任の多くを開発チームに委譲して、リリースエンジニアを開発チームのシステム信頼性エンジニアに回すことができたと述べている。「われわれは今や、1つのグループにまとまり、アプリケーションの完全なライフサイクルを指針として、わが社の事業のために新機能をどう作るかを考えるようになっている」(Pratt氏)

7.従業員のやる気への影響

 Spafford氏によると、短期間のイテレーションを繰り返し、ほかのチームメイトと常に連絡を取り続けることで、従業員は急速に学び、事業に大きな影響を与えることができるようになる。それに加え、自分たちが取り組んでいるプロジェクトが頻繁にリリースを繰り返すうちに、その影響も理解できるようになる。

 「次第に、『自分のやっている仕事は大切なものであり、くだらないものではない。毎日仕事に来るたびに、自分が今作っているものが会社にどんな価値があるかを理解できる』と思い始めるようになる」とSpafford氏は述べている。

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