矢野経済研究所は、6月19日、国内車載ソフトウェア市場の調査結果を発表した。
これによると、2016年の国内車載ソフトウェア市場規模(事業者売上高ベース)は、前年比138.3%の5250億円。今後、車載ソフトウェアの大容量化を背景として、2020年の同市場規模は7475億円、2030年には9950億円に拡大すると予測される。
車載ソフトウェア市場/AUTOSAR関連市場規模推移と予測
この調査は、2017年1月〜5月に実施された。調査対象は、国内・海外の自動車メーカー(OEM)、カーエレクトロニクス機器(カーエレ)メーカー、車載用組み込みソフトウェアメーカー(OEM 系列、カーエレメーカー系列、半導体メーカー系列、独立系)、開発ツールベンダ、及びコンサルタントなど。
なお、同調査での「車載ソフトウェア」とは、自動車に搭載されたカーエレクトロニクス機器において、特定機能を提供するためにECU(Electronic control unit)内に組み込まれたソフトウェア及びその開発ツールを指す。
AUTOSAR(Automotive open system architecture)は、「クルマのECUにおけるソフトウェア」の標準化を実現するための仕様を策定・公開している団体および、そのプラットフォーム仕様の名称。これまでAUTOSARは欧州を中心に推進されてきた。しかし国内の関連メーカーは、車載ソフトウェアにおいて標準化を実現し、過去のソフトウェア資産を有効活用することで、開発コストを縮小しようとしており、AUTOSARへの取組みを強化している。
国内の車載ソフトウェア市場のうち、2016年のAUTOSAR関連市場規模(事業者売上高ベース)は前年比185.5%の115億円。今後は、2020年に415億円、2025年は1050億円、2030年には2050億円になると予測される。2015年のAUTOSARの構成比は、1.6%に過ぎなかったが、2030年には車載ソフトウェア市場全体の20.6%を占めるまでに拡大するとしている。