IBMの2019年第3四半期決算は利益が予想を上回ったが、売上高は部門によって明暗入り混じる結果となった。Red Hatの売上高は19%、クラウドおよびコグニティブソフトウェア部門の売上高は6%増加した。
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1株当たり利益は1.87ドル、売上高は前年同期比3.9%減の180億ドルだった。事業売却と為替変動の影響を調整した場合は0.6%減となる。非GAAPベースの1株当たり利益は2.68ドルだった。
アナリストは、売上高を前年同期比約3%減の182億2000万ドル、非GAAPベースの利益を1株当たり2.67ドルと予想していた。
アナリストは、第3四半期決算にRed Hatがどう寄与したか、また、特にサービスなどのIBMの中核事業の安定性に関して詳細な情報を探っていた。IBMは米国時間7月9日にRed Hatの買収を完了した。ハイブリッドクラウドとマルチクラウドが成長の大きな火付け役になると期待している。IBMの第3四半期はこれまでも低調だったが、メインフレームの発表など新たなサイクルもある。
最高経営責任者(CEO)のGinni Rometty氏は、クラウドおよびコグニティブソフトウェア部門とグローバルビジネスサービス部門の売上高の伸びについて、正しい方向に一歩進んだと述べた。
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Red Hatを含むクラウドおよびコグニティブソフトウェア部門の売上高は、前年同期比6.4%増の53億ドルだった。セキュリティ、モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)、クラウドプラットフォームなどがけん引した。この部門にはRed Hatも寄与したとみられる。
グローバルビジネスサービス部門の売上高は前年同期比1%増の41億ドル、グローバルテクノロジーサービス部門の売上高は前年同期比5.6%減の67億ドルだった。システム部門の売上高は14.7%減の15億ドルだった。新しい「z15」メインフレームが今後の四半期の業績成長につながる可能性もあるだろう。
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最高財務責任者(CFO)のJames Kavanaugh氏はカンファレンスコールで次のように説明した。
「われわれは、『OpenShift on IBM Cloud』と『OpenShift on IBM Z』を発表した。また、Red Hat向けのコンサルティングおよびテクノロジーサービスを導入し、デジタル改革におけるわれわれの専門知識と、ミッションクリティカルなワークロードの管理で業界トップである当社の地位を生かしている」
「今四半期は、Red Hatのインフラ事業(主にRHEL)が2桁の成長を達成し、シェアを増やし続けた。これは、ハイブリッドクラウド環境におけるエンタープライズのワークロードの土台として引き続きLinuxが重要であることを示す大きな証拠だ。また、『OpenShift』と『Ansible』がいずれもけん引し、アプリケーションの開発や新興技術で勢いが続いた。OpenShiftの新規顧客を増やし、既存顧客でRed Hatの導入を拡大している」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。