IBMは米国時間10月16日、2018年会計年度第3半期(9月30日締め)の決算を発表した。セグメント別ではコグニティブ・ソリューション、テクノロジー・サービスおよびクラウド・プラットフォームなどが売り上げを前年同期から減らしている。
同期の売上高は前年同期比2%減の188億ドル、継続事業による1株あたり利益はGAAPベースで2.94ドル、非GAAPベースで3.42ドルだった。
証券アナリストらは、売上高は191億ドル、1株あたり利益は3.4ドルと予想していた。
IBMはこのところ、ビジネスのための人工知能(AI)を成長させることに大きくフォーカスしてきた。Watsonだけでなく、IBMはAIとクラウドの管理レイヤーとして自社を位置付けている。同社の最高経営責任者(CEO)、Ginni Rometty氏は米フロリダ州オーランドで開催されているGartner Symposium/ITXpoで、AIについて、「これらの(AI)技術を世界に届けなければならない」「私たちの仕事を100%変えるだろう。これは怖いことだ。すべての仕事ではないだろうが、一部の仕事はAIにより置き換えるられるだろう」などと語った。
第3四半期決算の明るい要素といえば、売上総利益の増加率が向上し、過去3年間で最高になったことだ。Rometty氏はIBMの戦略的優先課題、それにAI、ブロックチェーン、アナリティクス、セキュリティなどの技術が実現することを強調している。
コグニティブ・ソリューションとクラウド・プラットフォームの両セグメントの売上高が減少した一方、aaS(as-a-Service)で提供されたクラウドの年間ランレートが114億ドルに達したと報告している。
第3四半期のセグメント別の業績は以下の通り。
- コグニティブ・ソリューション事業の売上高は、前年同期比4%減の41億ドルとなった。Watson Health、セキュリティソリューション、アナリティクスは成長した。このセグメントにはトランザクション処理ソフトウェアも含まれている。「Z」ミドルウェアは同期振るわず、クラウドの売り上げは2%減少した。
- テクノロジー・サービスおよびクラウド・プラットフォーム事業の売上高は、前年同期比2%減の83億ドルだった。クラウドの売上高は増加したが、インフラサービス、技術サポートサービス、インテグレーションソフトウェアが足を引っ張った。
- グローバル・ビジネス・サービス事業は売上高が41億ドルと、コンサルティングが上向いたことから前年同期から1%増加した。デジタル戦略とコグニティブプロセストランスフォーメーションが成長を牽引した。
- システム事業の売上高は前年同期比1%増の17億ドルとなった。「Power」「IBM Z」は比較的好調だった。
今後の見通しとして、IBMは非GAAPに基づく1株あたり利益は13.8ドル以上と予想している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。